“葉尖”の読み方と例文
読み方割合
はさき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葉尖はさきにすくすくと針を持って、なめらかに開いていたのが、今蟻を取って上へ落すと、あたかも意識したように、静々と針を集めて、見る見る内に蟻をとりこにしたのである。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これにぞ、気を得て、返す刀、列位の黒道人くろどうじん切附きりつけると、がさりと葉尖はさきから崩れて来て、蚊帳を畳んだように落ちる。同時に前へ壁をいて、すっくと立つ青仙人を、腰車にって落す。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この姿は、むぐらを分けて忍び寄ったはじめから、目前めさき朦朧もうろうと映ったのであったが、立って丈長き葉に添うようでもあり、寝て根をくぐるようでもあるし、浮き上って葉尖はさきを渡るようでもあった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)