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金兵衛
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きんべゑ
何だ
人面白くもねえ、
先へ出よう/\。「
金兵衛どんお
前是から
焼場へ
持つて
行くのに
独ぢやア困るだらうから
己が
片棒担いでやらうか。 ...
おゝ
金子だ、
大層持つて
居やアがるナ、もう死ぬと
云ふので
己が
見舞に
行つてやつたから、
金兵衛さんに
是だけ
残余はお
長家の
衆へツて、
施与でもするのか
知ら
あい、ぢやア
帰るよ、用があつたらお呼びよ、
直に
来るから。と
金兵衛は
宅へ
帰つたが考へた。
其様なことを
云つたつて
為やうがない、さアこゝは
奥山だ。梅「へえ……。ときよろ/\してゐる中に、
近江屋の
旦那を
見失つてしまひました。梅「
金兵衛さアん……
近江屋さアん……。 ...
金兵衛手に取つて見ますると、
遠州所持の
南蛮砂張の
建水でございます。