酒盛さかも)” の例文
そういうふうにして夜遅くまで酒盛さかもりをしてるうちに、とうとう二人は酔いつぶれて、そこにぐっすり眠ってしまいました……。
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そのうちおさけますと、みんなおたがいに土器かわらけのおさかずきをうけたり、さしたり、まるで人間にんげんのするとおりの、たのしそうなお酒盛さかもりがはじまりました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「多分明日の晩あたりはまたおめでたくこの色男にあえるだろうよ。そしてお祝いの酒盛さかもりでもやるがいいやな。」
その日は酒盛さかもり最中に十月ももはや二十日過ぎらしい雨がやって来た。一座六人の中には、よいきげんになっても、まだ飲み足りないという人もいた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
以前の書斎で、それぞれ椅子にかけると、またコニャックの酒盛さかもりがはじまった。心がときめいているので、酒のまわりが早く、蘭堂はじきに酔い心地になった。
悪霊物語 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そこには落合から行った半蔵の弟子でし勝重かつしげのような若い顔さえ見いだされた。そしてその東美濃の町に延胤を迎えようとする打ちくつろいだ酒盛さかもりがあった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
やがてみんなはゆうべのように木のうろのまえすわって、にぎやかなお酒盛さかもりをはじめました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「酒までたくさんそろええてくれたこころざしめんじて、今晩はお前の家で酒盛さかもりをするとしよう」
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
いつものとおりおいのりをすましてしまいますと、おりからはぎやすすきのみだれたあきうつくしい景色けしきをながめながら、保名主従やすなしゅじゅうはしばらくそこにやすんで、幕張まくばりの中でお酒盛さかもりをはじめました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「それはありがたい。それでは酒盛さかもりをはじめようか。」
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)