-
トップ
>
-
保名主従
そのうちだんだん日が
傾きかけて、
短い
秋の日は
暮れそうになりました。
保名主従はそろそろ
帰り
支度をはじめますと、ふと
向こうの
森の
奥で大ぜいわいわいさわぐ
声がしました。
そこで
又はげしい
戦がはじまりました。
保名主従は
幾ら
強くっても、
先刻の
働きでずいぶん
疲れている上に、百
倍もある
敵に
囲まれていることですから、とても
敵いようがありません。
いつものとおりお
祈りをすましてしまいますと、
折からはぎやすすきの
咲き
乱れた
秋の
野の
美しい
景色をながめながら、
保名主従はしばらくそこに
休んで、
幕張りの中でお
酒盛りをはじめました。