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遠島
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えんとう
ふりがな文庫
“
遠島
(
えんとう
)” の例文
だめです。これから自首して、もし
遠島
(
えんとう
)
か
牢舎
(
ろうしゃ
)
ぐらいで、
生命
(
いのち
)
がありましたら、もう一ぺん生れ直します。どうかごきげんよう
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万一の事でもあろうものなら、手前なんぞは先生とはちがって虫けら同然の
素町人
(
すちょうにん
)
故
(
ゆえ
)
、事によったら
遠島
(
えんとう
)
かまず軽いところで
欠所
(
けっしょ
)
は
免
(
まぬか
)
れまい。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
高瀬舟
(
たかせぶね
)
は京都の
高瀬川
(
たかせがわ
)
を
上下
(
じょうげ
)
する小舟である。徳川時代に京都の罪人が
遠島
(
えんとう
)
を申し渡されると、本人の親類が
牢屋敷
(
ろうやしき
)
へ呼び出されて、そこで
暇乞
(
いとまご
)
いをすることを許された。
高瀬舟
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
悉
(
ことごと
)
くこれを打払い、我より行かんとするものは、悉くこれを禁じ、その禁を侵すものは、これを
遠島
(
えんとう
)
し、これを
殺戮
(
さつりく
)
し、
甚
(
はなは
)
だしきは
磔刑
(
たっけい
)
に処し、
而
(
しこう
)
してさらに五百石以上の軍船
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
あの人のことはもういい、
賭場
(
とば
)
で二人を刺し、一人を殺した。ながいあいだの博奕兇状もしらべあげられたし、たとえ死罪にはならなくとも、佐渡へ送られるか
遠島
(
えんとう
)
はまぬがれまい。
枡落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
長平は無論に死罪でしたが、長吉の方はまだ子供でもあり、どこまでも親のかたきを討つつもりでやった仕事ですから、
上
(
かみ
)
にも
御憐愍
(
ごれんびん
)
の沙汰があって、
遠島
(
えんとう
)
ということで
落着
(
らくちゃく
)
しました。
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まさか、お
追放
(
ついほう
)
とはゆかないけれど、
獄門
(
ごくもん
)
のところを
遠島
(
えんとう
)
ぐらいにはなるのは
御定法
(
ごじょうほう
)
とされている。——つまらない眼に
遭
(
あ
)
ったのはおまえさんさ。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしてそは全く
遠島
(
えんとう
)
に流され
手錠
(
てじょう
)
の刑を受けたる卑しむべき町絵師の功績たらずや。浮世絵は隠然として政府の迫害に屈服せざりし平民の意気を示しその
凱歌
(
がいか
)
を奏するものならずや。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
総
(
すべ
)
て革命的の
気焔
(
きえん
)
を
煽
(
あお
)
ぎたる『
柳子新論
(
りゅうししんろん
)
』の著者山県大弐が大
不敬
(
ふけい
)
罪の名義によりて、死罪申附けられ、その徒藤井右門は
獄門
(
ごくもん
)
に
懸
(
か
)
けられ、竹内正庵(式部)が
遠島
(
えんとう
)
申し附けられたるが如き
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
他人に渡すのは
業腹
(
ごうはら
)
だから、山岡屋さんの手に
揚
(
あ
)
げて貰って、
石塔
(
せきとう
)
の一つも建って貰えれば有難いし、運よく、
遠島
(
えんとう
)
とでもなって、娑婆の風にふかれる日があったら、そのうちの
幾分
(
いくぶん
)
でも
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遠島
(
えんとう
)
にいっている——などということまで、隠さないのである。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“遠島”の意味
《名詞》
遠島(えんとう)
陸地から遠い、離れた島。
(「おんとう」とも)江戸時代における刑罰の一つで、財産を没収のうえ、遠くの島に配流すること。
(出典:Wiktionary)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
島
常用漢字
小3
部首:⼭
10画
“遠島”で始まる語句
遠島船
遠島御歌合