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道具立
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どうぐだて
ふりがな文庫
“
道具立
(
どうぐだて
)” の例文
これは単独に寺の建築やその歴史から感ずる興味ではなく、いわば小説の叙景もしくは芝居の
道具立
(
どうぐだて
)
を見るような興味に似ている。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
義理とか人情とか云う、尋常の
道具立
(
どうぐだて
)
を背景にして、普通の小説家のような観察点からあの女を研究したら、刺激が強過ぎて、すぐいやになる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十五六世紀の西洋の
甲冑
(
かっちゅう
)
着
(
つ
)
けた士卒が出て、
鎌倉武士
(
かまくらぶし
)
の
白
(
せりふ
)
を使う。
亡霊
(
ぼうれい
)
の出になる。やがて
丁抹
(
でんまるく
)
王城
(
おうじょう
)
の場になる。
道具立
(
どうぐだて
)
は
淋
(
さび
)
しいが、国王は眼がぎろりとして、如何にも
悪党
(
あくとう
)
らしい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
無筆のお妾は
瓦斯
(
ガス
)
ストーヴも、エプロンも、
西洋綴
(
せいようとじ
)
の料理案内という書物も、
凡
(
すべ
)
て
下手
(
へた
)
の
道具立
(
どうぐだて
)
なくして、巧に
甘
(
うま
)
いものを作る。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
分からんでもいいや、それよりこの
襖
(
ふすま
)
が面白いよ。一面に
金紙
(
きんがみ
)
を張り付けたところは豪勢だが、ところどころに
皺
(
しわ
)
が寄ってるには驚ろいたね。まるで
緞帳芝居
(
どんちょうしばい
)
の
道具立
(
どうぐだて
)
見たようだ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しかして
凡
(
すべ
)
てこの世界のあくまで
下世話
(
げせわ
)
なる感情と生活とはまたこの世界を構成する
格子戸
(
こうしど
)
、
溝板
(
どぶいた
)
、
物干台
(
ものほしだい
)
、
木戸口
(
きどぐち
)
、
忍返
(
しのびがえし
)
なぞいう
道具立
(
どうぐだて
)
と一致している。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その
傍
(
そば
)
の
煤
(
すす
)
けた柱に
貼
(
は
)
った
荒神様
(
こうじんさま
)
のお
札
(
ふだ
)
なぞ、一体に汚らしく乱雑に見える周囲の
道具立
(
どうぐだて
)
と
相俟
(
あいま
)
って、
草双紙
(
くさぞうし
)
に見るような何という
果敢
(
はかな
)
い
佗住居
(
わびずまい
)
の情調、また
哥沢
(
うたざわ
)
の節廻しに唄い古されたような
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「まだ、なかなかだ。」と
独言
(
ひとりごと
)
のようにいって、「長さん。あれァ廻りの拍子木といって
道具立
(
どうぐだて
)
の出来上ッたって事を、役者の部屋の方へ知らせる合図なんだ。
開
(
あ
)
くまでにゃアまだ、なかなかよ。」
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“道具”で始まる語句
道具
道具屋
道具類
道具商
道具方
道具箱
道具台
道具建
道具袋
道具類等