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連繋
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れんけい
ふりがな文庫
“
連繋
(
れんけい
)” の例文
然しその本当の意味は、どの職工もお互いが勝手なことが出来ないように、眼に見えない「責任上の
連繋
(
れんけい
)
」を作って置くことにあった。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
それは事実の異なった二方面であって、互いに依存するものであり、常に
連繋
(
れんけい
)
するものであり、大抵は互いに他を発生し合うものである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
オリヴィエの友人らが、各自に孤立して自分自分の仕事をしている間で、彼は一種の
連繋
(
れんけい
)
の役目をなしていた。彼はあちらこちら行き来していた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この年抽斎の次男矢島
優善
(
やすよし
)
は、遂に素行修まらざるがために、
表医者
(
おもていしゃ
)
を
貶
(
へん
)
して
小普請
(
こぶしん
)
医者とせられ、抽斎もまたこれに
連繋
(
れんけい
)
して閉門
三日
(
さんじつ
)
に処せられた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
自分はその後、諸国をめぐって、あらゆる反信長
圏
(
けん
)
の
連繋
(
れんけい
)
に成功した。中国の毛利どのもこれに加盟した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
脅
(
おび
)
えきつた姿で平次のところに泊り込んでをり、妹のお比奈は病人の介抱に隙もない有樣では、黒雲五人男と、この二人の間には、さしたる
連繋
(
れんけい
)
があらうとも思へません。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
甘美な「愛」に貫かれて、ぼくたちはそれぞれの「個」から解放され、
連繋
(
れんけい
)
しあうことができるかもしれないのに。——時計は、二本の針を垂直に12に重ねあおうとしていた。
ジャンの新盆
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
こういう一つ一つの例を眺めていると、夕顔でも南瓜でも、何かそれぞれの深い意味があるように思われるが、話の他の部分は
連繋
(
れんけい
)
していて、この点ばかりが独創であった筈はない。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
枡
(
ます
)
、
目結
(
めゆい
)
、
雷
(
らい
)
、
源氏香図
(
げんじこうず
)
などの模様は、平行線として知覚されることが必ずしも不可能でない。殊に縦に
連繋
(
れんけい
)
した場合がそうである。したがってまた「いき」である可能性をもっている。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
正当にザイルで
連繋
(
れんけい
)
したものなら、重力の関係運動と、現場の個性から判断して、当然、阿曽がひきこまれていなければならないというので起訴されたのだが、阿曽は法廷で、私が助かったのは
白雪姫
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そうすれば私達が首になったとしても、残っている組織の根と緊密な外部からの
連繋
(
れんけい
)
によって、少しの支障もなく仕事を継続することが出来る。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
彼らの娘は、二人の間の
連繋
(
れんけい
)
であるとともに、暗黙な競争の種となった。二人とも娘を
嫉妬
(
しっと
)
深いほど愛していた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そのあいだ、どこで正成と会われたかは、山中の
雲煙裡
(
うんえんり
)
、まるで神仙の会盟みたいで、なんの確証ものこっていない。が、両者の後の行動には、はっきりした
連繋
(
れんけい
)
がとれている。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は、わざとのように「愛」という言葉を
迂回
(
うかい
)
して生きてきた自分を思った。私にとり、「愛」はどうにもならぬ
連繋
(
れんけい
)
の意識であり、その負担であり、身動きのつかぬ「関係」の別名でしかなかった。
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
僕の写象には、何の論理的
連繋
(
れんけい
)
もなく、無縁坂の女が浮ぶ。「僕は只雁のいる所を狙って投げたのだがなあ」と、今度は僕に対して岡田が云う。「うん」と云いつつも、僕は
矢張
(
やはり
)
女の事を思っている。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
規則正しい
連繋
(
れんけい
)
を保っていたのである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
このことは工場にいるメンバーと極めて緊密な
連繋
(
れんけい
)
がとれている場合にでも云えるのである。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
二人でうち建ててる社会的
連繋
(
れんけい
)
と義務とについて、
敬虔
(
けいけん
)
な尊敬をいだいていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
須山たちと密接な組織的
連繋
(
れんけい
)
を保っていることによって、浮き上る処か、面白いことには逆に、離れてみて須山や伊藤や(そして今迄の私も)眼先だけのことに全部の注意を奪われていて
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
クリストフとその眼に見えない友人らとの間に、神秘な
連繋
(
れんけい
)
が織り出されてくるに従って、彼の芸術観に革命が起こってきた。彼の芸術観はいっそう広いいっそう人間的なものとなっていった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“連繋”の意味
《名詞》
繋(つな)げること。関係を持(も)つこと。
《動詞》
繋(つな)げる。
(出典:Wiktionary)
連
常用漢字
小4
部首:⾡
10画
繋
漢検準1級
部首:⽷
17画
“連”で始まる語句
連
連中
連立
連合
連歌
連翹
連絡
連環
連累
連添