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表医者
この年抽斎の次男矢島
優善は、遂に素行修まらざるがために、
表医者を
貶して
小普請医者とせられ、抽斎もまたこれに
連繋して閉門
三日に処せられた。
これより
先き四年十月朔に、抽斎は
月並出仕仰附けられ、五年二月二十八日に、
御番見習、
表医者仰附けられ、即日見習の席に着き、三月朔に本番に
入った。
この年
前に
貶黜せられた抽斎の次男矢島
優善は、
纔に
表医者介を命ぜられて、
半その位地を回復した。優善の友塩田
良三は
安積艮斎の塾に入れられていたが、或日師の金百両を
懐にして長崎に
奔った。