“表医者”の読み方と例文
読み方割合
おもていしゃ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この年抽斎の次男矢島優善やすよしは、遂に素行修まらざるがために、表医者おもていしゃへんして小普請こぶしん医者とせられ、抽斎もまたこれに連繋れんけいして閉門三日さんじつに処せられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これよりき四年十月朔に、抽斎は月並つきなみ出仕しゅっし仰附おおせつけられ、五年二月二十八日に、御番ごばん見習みならい表医者おもていしゃ仰附けられ、即日見習の席に着き、三月朔に本番にった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この年さき貶黜へんちつせられた抽斎の次男矢島優善やすよしは、わずか表医者おもていしゃすけを命ぜられて、なかばその位地を回復した。優善の友塩田良三りょうさん安積艮斎あさかごんさいの塾に入れられていたが、或日師の金百両をふところにして長崎にはしった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)