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逢坂山
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おうさかやま
ふりがな文庫
“
逢坂山
(
おうさかやま
)” の例文
逢坂山
(
おうさかやま
)
の大谷風呂を根拠地とした不破の関守氏は、その翌日はまた
飄然
(
ひょうぜん
)
として、山科から京洛を歩いて、夕方、宿へ戻りました。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
逢坂山
(
おうさかやま
)
の杉木立が魔のように見えて、ごうッと遠い風音も常なら気味の悪い筈だが、お米の今は体の疲れも何の怖さも知らないのだった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊
(
こと
)
に夜道になると
逢坂山
(
おうさかやま
)
を越えるのは一苦労だぜ。……でも、何だってよりによって夕方なぞにお発ちになろうなんてお考えになったのかな。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
その時はもう暗くもあったし、あわただしくもあったので、翌日
逢坂山
(
おうさかやま
)
の向こうから御息所の返事は来たのである。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
汽車が
逢坂山
(
おうさかやま
)
のトンネルを西へぬけるとパット世界が明るくなるのは愉快だがワッと大阪弁が急に耳に押し寄せてくるのが何よりもむっとするのであった。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
▼ もっと見る
どうしても水死をしたいものは、お半長右衛門のように桂川まで辿って行くか、
逢坂山
(
おうさかやま
)
を越え琵琶湖へ出るか、嵯峨の広沢の池へ行くよりほかに仕方がなかった。
身投げ救助業
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と、
比叡
(
ひえい
)
おろしの吹きすさぶ中を
逢坂山
(
おうさかやま
)
へかゝりながら涙を流した。そうかと思うと
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
(鸚鵡石は、
志摩国
(
しまのくに
)
逢坂山
(
おうさかやま
)
のが一番名高い。つまり声の反響、コダマの最もよく聴こえる個所なので、現在では少しも不思議とはせぬが、その時代の人は真に奇蹟としていたのであった)
丹那山の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
逢坂山
(
おうさかやま
)
は
山城
(
やましろ
)
の京の境、奈良坂は大和の京の境であるから、
道饗
(
みちあえ
)
の祭をしただけで、そこが峠の頂上であったためではなかろう。「たうげ」もまた「たわ」から来た語であるかも知れぬのである。
峠に関する二、三の考察
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それも時折にやんで、夜はだいぶ
更
(
ふ
)
けたらしいが、弦之丞はまだ帰らず、
逢坂山
(
おうさかやま
)
の上あたりに、不気味な
怪鳥
(
けちょう
)
の羽ばたきがする。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
京都へ上るときに大津を出て、
逢坂山
(
おうさかやま
)
の下の原で、後ろから不意に呼びかけて自分に果し合いを申込んだ薩州の浪人がそれだ。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
延喜十八年の晩春の
一日
(
あるひ
)
。相馬の小次郎は、
生国
(
しょうごく
)
の下総から、五十余日を費やして、やっと、京都のすぐてまえの、
逢坂山
(
おうさかやま
)
まで、たどりついた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右は比良、比叡の余脈、左は金剛、
葛城
(
かつらぎ
)
まで呼びかける
逢坂山
(
おうさかやま
)
の夜の峠路を、この人は夢の国からでも出て来たように、ゆらりゆらりと歩いていました。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
逢坂山
(
おうさかやま
)
の関へかかると、
追立
(
おったて
)
の役人たちは、役目をすまして、引返した。都からついて来た多くの人々も、思い思い別れの言葉を残して戻ってゆく。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
柳緑花紅
(
やなぎはみどりはなはくれない
)
」の札の辻を、
逢坂山
(
おうさかやま
)
をあとにして、きわめて人通りの乏しい追分の道を、これだけの挨拶で、両人は口を結んだまま、竜之助の方が一足先で、
高屐
(
こうげき
)
の武士はややあとから
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
で、叡山六波羅相互の陣は、
逢坂山
(
おうさかやま
)
をはさんで、不気味な暗夜の対峙になっている、というのであった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あれだ、あの男だ、そうか、なるほど……いやあの男には、拙者も重なる縁がある、大津から
逢坂山
(
おうさかやま
)
の追分で、薩州浪人と果し合いをやっている最中に飛び込んだのは、別人ならぬこの拙者だ。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まだ
短夜
(
みじかよ
)
も明けない
逢坂山
(
おうさかやま
)
の木立の上に、鉄砲を構えて、信長のすがたを待っている怪僧があった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは新撰組の一人で山崎
譲
(
ゆずる
)
という男、かつて竜之助が
逢坂山
(
おうさかやま
)
で田中新兵衛と果し合いをした時に、
香取流
(
かとりりゅう
)
の棒を
振
(
ふる
)
って仲裁に入った男、変装に
巧
(
たく
)
みで、さまざまの
容姿
(
なり
)
をして、
壬生
(
みぶ
)
や島原の間
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
空を見あげると、一面に、まッ黒なちぎれ雲——
逢坂山
(
おうさかやま
)
の肩だけに、パッと明るい陽がみえるが、
四明
(
しめい
)
の峰も、
志賀粟津
(
しがあわづ
)
の里も、雨を待つような、灰色の
黄昏
(
たそがれ
)
ぐもり。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一しょに——これはそもなに?
逢坂山
(
おうさかやま
)
の森をかすめて、ピューッと
凧
(
たこ
)
のうなるがごとき音をさせつつ、
斜
(
なな
)
めにひくく、直線にたかく、そしてゆるく、またはやく
旋回
(
せんかい
)
してきたあやしいものがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とばかり信長は、いよいよ上洛の軍をすすめ、
逢坂山
(
おうさかやま
)
をこえた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“逢坂山”の解説
逢坂山(おうさかやま)は、滋賀県大津市の西部に位置する標高325mの山である。別名は「関山」。
(出典:Wikipedia)
逢
漢検準1級
部首:⾡
11画
坂
常用漢字
小3
部首:⼟
7画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“逢坂”で始まる語句
逢坂
逢坂口