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せりもち
ふりがな文庫
“
迫持
(
せりもち
)” の例文
溝渠
(
こうきょ
)
の
廃址
(
はいし
)
の赤黒い
迫持
(
せりもち
)
の下には
白巴旦杏
(
しろはたんきょう
)
が咲いていた。よみがえったローマ平野の中には、草の波と揚々たる
罌粟
(
けし
)
の炎とがうねっていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と、それから、人造石の樺と白との
迫持
(
せりもち
)
や角柱ばかし目だつた、俗悪な無用の贅を凝らした大洋館があたりの均斉を突如として破つて見えて来る。
日本ライン
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
やや下って
迫持
(
せりもち
)
の右側に、空色地に金の星をつけたゴシック風天蓋に覆われた聖母像、他の聖徒の像、赤いカーテンの下った懺悔台、其等のものが
長崎の一瞥
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
空想に富む若い建築家の手に成ったもので、幅が広く
迫持
(
せりもち
)
が低く、奇怪な装飾があり、機智と様式にみちている。
神の剣
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
すべてまわりのものはこわれ落ちてしまって、一つの
迫持
(
せりもち
)
らしいものをそこに止めている。記念物的なありさまは、しばしば荒廃から生まれるものである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
彼女はたゞ機械的にさう讀み下した、そして
迫持
(
せりもち
)
した戸口から、彼女の眼は海の方を遠く眺めやつた。その朝は、海は灰色の霧でいかにも朦朧としてゐた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
家の壁だとか、柱時計だとか、寝台だとか、
迫持
(
せりもち
)
のところだとかを、つくづく見ておいでになりましたよ。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
石の
迫持
(
せりもち
)
の下なる長き
廊道
(
わたどのみち
)
には、
書肆
(
しよし
)
あり珠玉店あり繪畫鋪あれども、足を其前に留むるもの多からず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
駒は
迫持
(
せりもち
)
の
楔石
(
くさびいし
)
に似た形をしていて細い方が薄く、黒漆でその名が書いてある(図139)。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
四方の壁面は、ゴンダルド風の
羽目
(
パネル
)
で区切られていて、壁面の上層には
囲繞
(
いにょう
)
式の
採光層
(
クリアストーリー
)
が作られ、そこに並んでいる、イオニア式の
女像柱
(
カリアテイデ
)
が、天井の
迫持
(
せりもち
)
を頭上で支えている。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
混雑の中に瞥見する事が出来たが——丸柱や
迫持
(
せりもち
)
の廊下や階段や
段梯
(
だんばしご
)
や——それは誠に魔法の国にもふさはしい、堂々とした豪奢の趣致と楚々とした優麗の風格とを併せ有してゐるものであつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
茶いろになった
石壁
(
いしかべ
)
が剣形
迫持
(
せりもち
)
の形をして
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
廊下の突当りの
迫持
(
せりもち
)
窓から一杯の西日がさし込んでいる。そこで、はる子を中心に三四人かたまっていた。
雑沓
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
別に捜し回りもしないで、
夕陽
(
ゆうひ
)
を受けてる赤いフォールムを見、深い
蒼空
(
あおぞら
)
が青い光の
淵
(
ふち
)
となって向こうに開けてる、パラチーノ丘の半ばくずれてる
迫持
(
せりもち
)
を見た。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
よく築かれた石畳工事は、
迫持
(
せりもち
)
になっていてかくまでに丈夫なものである。その一片の底部は、半ば沈没しながらなお強固で、まったく一つの坂道となっていた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と、それから、人造石の
樺
(
かば
)
と白との
迫持
(
せりもち
)
や
角柱
(
かくばしら
)
ばかし目だった、俗悪な無用の
贅
(
ぜい
)
を
凝
(
こ
)
らした大洋館があたりの均斉を突如と破って見えて来る。「や、あれはなんです」。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
その状柱列の
迫持
(
せりもち
)
を戴けるに似て、波はその門に走り入り、その内にありて戲れ遊べり。突き出でたる
巖端
(
いははな
)
に城あり、
城尖
(
じやうせん
)
の邊には、一帶の雲ありて
徐
(
しづ
)
かに靡き過ぎんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
先日河に沿って歩いていたら、
迫持
(
せりもち
)
の二つある美事な石の橋があった。その中央の橋台には堅牢な石に亀が四匹、最も自然に近い形で彫刻してあるのに気がついた(図297)。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
大小の柱、大小の
迫持
(
せりもち
)
、出窓や
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
彼らがある大きな門の人目と雨とを避けた暗い
迫持
(
せりもち
)
の下にはいった時、モンパルナスは尋ねた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ヴェルダン市役所の跡は、よく整理されている廃墟にいくらかの土台石と数本の太い
迫持
(
せりもち
)
の柱列が、青空をすかして遺っているばかりだった。第一回の砲撃をうけた月日。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
此旅人の
迫持
(
せりもち
)
の石柱を仰ぎ見るに及びて、我はそのベルナルドオなるを
識
(
し
)
りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その上すべての
繰形
(
モールディング
)
に金が塗ってあるからけばけばしい、重いバルコニーの
迫持
(
せりもち
)
の間にあって、重り合った群集の顔は暗紅色の前に蒼ざめ、奥へひっこみ、ドミエ風に暗い。
シナーニ書店のベンチ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
左右二つの
迫持
(
せりもち
)
、そういうものをつけてそこに、グレーヴの広場と同平面に控えている。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
床がしき石張で、古代ロシア風のふくれた円柱や重い
迫持
(
せりもち
)
が正面階段のまわりにある。
子供・子供・子供のモスクワ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
各出口は皆
迫持
(
せりもち
)
になっている。リヴォリ街の所は
溝渠
(
こうきょ
)
の中においても一派をなしている。その上、幾何学的な線が最も適当した場所を求むれば、それはまさしく大都市の
排泄濠
(
はいせつごう
)
であろう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それは
穹窿形
(
きゅうりゅうけい
)
の
迫持
(
せりもち
)
で、しだいに低くなってる隧道の丸天井よりも更に低く、丸天井が下がるにしたがってしだいに
狭
(
せば
)
まってる隧道よりも更に狭かった。隧道は
漏斗
(
ろうと
)
の内部のようになっていた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
迫
常用漢字
中学
部首:⾡
8画
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“迫持”で始まる語句
迫持揃
迫持受
迫持剜形