赤絵あかえ)” の例文
旧字:赤繪
「天蔵! おのれは、そのためにおれが養わせておく武力を悪用して、夜盗を働いたな。茶わん屋へ押し入って、赤絵あかえの名器を盗んだな!」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日本で珍重される赤絵あかえの「魁」、「福の字」、「玉取獅子」は、当時支那から輸入せられた安ものの貿易品に過ぎない。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
軒端のきばに草の茂った、そのなかに、古道具をごつごつと積んだ、暗い中に、赤絵あかえの茶碗、皿のまじった形は、大木の空洞うつろいばらの実のこぼれたような風情ふぜいのある、小さな店を指して
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見られよ、あの苦心になる絢爛けんらん柿右衛門かきえもん赤絵あかえに対し、みん代の下手げてな五彩は圧倒的捷利しょうりを示すではないか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「はい。賊の渡辺天蔵が目をつけて来たのは、御当家で御秘蔵の——赤絵あかえ水挿みずさしだといっていました」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ならわしとして前のものを「染附そめつけ」または「呉州ごす」といい、後のものを「赤絵あかえ」とか「上絵うわえ」とか呼びます。よく寿司屋が用いる「錦手にしきで」の皿や鉢は皆赤絵であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その折、問題になった「赤絵あかえ水挿みずさし」をたずさえて来て、主命として使者がいうには
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陶器に赤絵あかえを施した焼物として名を広めました。しかしいつも絵に生気が乏しいのを残念に思います。その他知多ちた半島に常滑とこなめがあります。ごく薄く釉薬うわぐすりをかけた赤褐あかちゃけた焼物であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
かかる多種への要求は健全なものであろうか。一身で青磁とらく染附そめつけ赤絵あかえと型と磁器と陶器とこれらのすべてをなすことに誇りがあるべきであるか。そこにはどこかうそがありはしまいか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)