言振いひぶり)” の例文
すると福富は、眞面目な顏をして、貴方だつて何時か、屹度神樣に縋らなければならない時が來ますと言つた。甲田は、そんな風な姉ぶつた言振いひぶりをするのを好まなかつた。
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
莞爾々々にこ/\わらひながら、縮緬雑魚ちりめんざこと、かれい干物ひものと、とろろ昆布こぶ味噌汁みそしるとでぜんした、もの言振いひぶり取做とりなしなんど、如何いかにも、上人しやうにんとは別懇べつこんあひだえて、つれわたし居心ゐごゝろさとつたらない。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、愛嬌あいけうのある、明白てきぱきした物の言振いひぶりは、何処かに人をひきつけるところが無いでもない。隆とした其風采なりふりを眺めたばかりでも、いかに斯の新進の政事家が虚栄心の為に燃えて居るかを想起おもひおこさせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると福富は、真面目な顔をして、貴方だつて何時いつか、屹度神様にすがらなければならない時が来ますと言つた。甲田は、そんなふうな姉ぶつた言振いひぶりをするのを好まなかつた。
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)