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角立
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かどだ
ふりがな文庫
“
角立
(
かどだ
)” の例文
私を連れて行かれたのは、
角立
(
かどだ
)
たないようにとのお心遣いだったかも知れません。その日には、それについてのお話はありませんでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
絶えずキョトキョトして、そわそわして安んじないばかりか、心に
爛
(
ただれ
)
たところが有るから何でもないことで妻に
角立
(
かどだ
)
った言葉を使うことがある。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
仲の悪い二人を一室に会わせて仲が直れば宜いが、却て何かの間違から
角立
(
かどだ
)
った日には、両虎
一澗
(
いっかん
)
に会うので、
相搏
(
あいう
)
たんずば
已
(
や
)
まざるの勢である。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ついでながら、切り立ての鋏穴の縁辺は
截然
(
せつぜん
)
として
角立
(
かどだ
)
っているが、
揉
(
も
)
んで拡がった穴の周囲は
毛端立
(
けばだ
)
ってぼやけあるいは捲くれて、多少の
手垢
(
てあか
)
や
脂汗
(
あぶらあせ
)
に汚れている。
雑記(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
重太郎は眼に
角立
(
かどだ
)
てて
詰
(
なじ
)
ったが、男は
急
(
せ
)
いているのであろう、返事もせずに駈け出した。窟には母の姿が見えず、
加之
(
しか
)
も怪しい男が出て来たのであるから、重太郎の不審は
愈
(
いよい
)
よ晴れぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
角立
(
かどだ
)
った冷ややかな顔つきと、きわめて丁重な態度と、首の所までボタンをかけた服と、燃えるような濃黄土色の長いだぶだぶのズボンをはいていつも組み合わしてる大きな足だけだった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
じゃ幾の事はそうきめてどうか
角立
(
かどだ
)
たぬように——はあそう願いましょう。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
みずから
反
(
かえ
)
りみて
縮
(
なお
)
からば千万人といえども、吾れ
往
(
い
)
かんとの独立
自重
(
じちょう
)
の心は
誰人
(
たれびと
)
にもなくてはならぬけれども、いわばどちらでも好いことに
角立
(
かどだ
)
てて世俗に反抗するほどの要なきものが多い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
君の住む岩内の港の水は、まだ流れこむ
雪解
(
ゆきげ
)
の水に薄濁るほどにもなってはいまい。鋼鉄を水で溶かしたような海面が、ややもすると
角立
(
かどだ
)
った波をあげて、岸を目がけて終日攻めよせているだろう。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
何んだかこう
角立
(
かどだ
)
って、
大業
(
おおぎょう
)
に見せるのが不愉快なのです。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
それでいて
角立
(
かどだ
)
たしい気持ちがあるのではみじんもない。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
不規則に
角立
(
かどだ
)
った音波は
噪音
(
そうおん
)
として聞かれ、振動急速な紫外線は目に白内障をひき起こす。その何ゆえであるかは完全には説明されていないではないか。いわんや光の量子説の将来は未知数である。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
たとえば化学的分子の立体的構造を考えていた化学者や
渦動原子
(
かどうげんし
)
の結合を夢みていた物理学者にはルクレチウスの曲がったり
角立
(
かどだ
)
ったりした元子は必ずなんらかの暗示を与え得たであろうと思われる。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“角”で始まる語句
角
角力
角笛
角張
角帯
角屋
角々
角樽
角兵衛獅子
角店