-
トップ
>
-
見好
>
-
みよ
が、いぢけたのでも
縮んだのでもない。
吹込む
煙に
惱亂した
風情ながら、
何處か
水々として
伸びやかに
見える。
襟許、
肩附、
褄はづれも
尋常で、
見好げに
釣合ふ。
されど
狼狽へたりと見られんは
口惜しとやうに、
遽にその手を
胸高に
拱きて、動かざること山の如しと
打控へたる
様も、
自らわざとらしくて、また
見好げにはあらざりき。
両側に
見好げなる
仕舞家のみぞ並びける。
市中の中央の極めて
好き土地なりしかど、この町は一端のみ大通りに
連りて、一方の口は
行留りとなりたれば、往来少なかりき。
衣紋の正しく、顔の気高きに似ず、
見好げに過ぎて
婀娜めくばかり。