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萎
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なや
ふりがな文庫
“
萎
(
なや
)” の例文
水々しい
魚
(
うお
)
は、真綿、羽二重の
俎
(
まないた
)
に寝て、術者はまな
箸
(
ばし
)
を持たない料理人である。
衣
(
きぬ
)
を
透
(
とお
)
して、肉を揉み、筋を
萎
(
なや
)
すのであるから
恍惚
(
うっとり
)
と身うちが溶ける。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
合戦ならば、その陣心に乱れを起さして
鼓
(
こ
)
を打つのと同じだ。そのために武蔵は、相手を怒らせては
萎
(
なや
)
し、萎しては怒らせ、再三それを繰返してからいざと太刀を取っている。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時
(
とき
)
よりも
早
(
はや
)
くぢり/\と
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
くのを、
氣
(
き
)
を
萎
(
なや
)
して、
見詰
(
みつ
)
めるばかりで、かきもの
所
(
どころ
)
の
沙汰
(
さた
)
ではなかつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手を
萎
(
なや
)
し、足を折り、あの、昔
田之助
(
たのすけ
)
とかいうもののように
胴中
(
どうなか
)
と顔ばかりにしたいのかの、それともその上、口も利かせず、死んだも同様にという事かいの。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
後難
(
こうなん
)
の
憂慮
(
うれい
)
のないように、治兵衛の気を
萎
(
なや
)
し、心を鎮めさせるのに何よりである。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
万世橋向うの——町の
裏店
(
うらだな
)
に、もと洋服のさい取を
萎
(
なや
)
して、あざとい碁会所をやっていた——金六、ちゃら金という、
野幇間
(
のだいこ
)
のような
兀
(
はげ
)
のちょいちょい顔を出すのが、ご新姐、ご新姐という
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
萎
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
“萎”を含む語句
萎縮
萎靡
萎々
打萎
足萎
萎氣
濡萎
萎微
萎気
気萎
萎枯
萎縮腎
凋萎
萎黄病
萎靡凋落
萎靡因循
萎靡振
身萎
萎靡沈滞
萎靡沈衰
...