船大工ふなだいく)” の例文
船大工ふなだいくの与兵衛は仕事場の中で煙草をんでいました。焚火たきびだけが明りで、広い仕事場がガランとして真暗まっくらでありました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
安政三年相州三浦三崎そうしゅうみうらみさき船大工ふなだいく間宮平次まみやへいじがつくり、船奉行向井将監むかいしょうげん支配、御船手津田半左衛門預つだはんざえもんあずかりという焼判やきばんがおしてある。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「大いによろしいだ。じゃあ早速さっそく今日から、おれたちは船大工ふなだいくになるてえわけだ。吃水きっすいの浅いボートを一隻、できるだけ早く作りあげるんだ。いいかね、しっかりやってくれ」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なんの、お前様めえさまさるとほ二十八方仏子柑にじふはつぱうぶしかん山間やまあひぢや。伐出きりだいて谿河たにがはながせばながす……駕籠かごわたしの藤蔓ふぢづるむにせい、船大工ふなだいくりましねえ。——私等わしらうちは、村里町むらざとまち祭礼まつり花車人形だしにんぎやう
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それぢや、三代さんだい船大工ふなだいくか。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)