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やけざけ
ふりがな文庫
“
自棄酒
(
やけざけ
)” の例文
娘の留守に
自棄酒
(
やけざけ
)
を
呷
(
あふ
)
つた金五郎が、夜中にフラフラとお六を殺したくならないものでもあるまい——と、
斯
(
か
)
う萬七親分は言ふんだ
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いねが実家へ相談にゆくともうその顔を見ただけで逃げ腰の兄の態度にいねを憤らせたり、時には重吉を
自棄酒
(
やけざけ
)
に浸らせたり
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
その気落ちがしてしまったためだろう、ひと月あまり呷りつづけた
自棄酒
(
やけざけ
)
のあと、バッタリ倒れて、とたんにこんな病気がでてしまったのだった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
そしてまだ陽を見たことのないクリーム色の(十二
字
(
じ
)
削
(
さく
)
)そして彼女の完全な(それは、悲しい、思っただけでも胸の
疼
(
うず
)
くような)離反!
自棄酒
(
やけざけ
)
。
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
と、笑いながら
酔漢
(
よっぱらい
)
のように身体を自由にぐらぐらさせて歩きたくなって来た。
自棄酒
(
やけざけ
)
を飲みたくなった。
御身
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
「
今日
(
けふ
)
らも
見
(
み
)
ろ、
角
(
かど
)
の
店
(
みせ
)
で
自棄酒
(
やけざけ
)
飮
(
の
)
んで
怒
(
おこ
)
つてたつけぞ」
一人
(
ひとり
)
が
自慢
(
じまん
)
らしく
新
(
あらた
)
な
事實
(
じじつ
)
を
提供
(
ていきよう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自棄酒
(
やけざけ
)
をのんで、血の
逆
(
あが
)
ったようなことを口走ってはいたが、まさかと、たかをくくっていたお吉は、びっくりして、夜具のまわりや押入れの中を見たが、お米は、もう帰らぬつもりで
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……
自棄酒
(
やけざけ
)
を飲んでますます落ちぶれて行くところ……
黒白ストーリー
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
娘の留守に
自棄酒
(
やけざけ
)
を
呷
(
あお
)
った金五郎が、夜中にフラフラとお六を殺したくならないものでもあるまい——と、こう万七親分は言うんだ
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その日その日を遊侠のしたい
三昧
(
ざんまい
)
、身に勝ちすぎた非望に苦艱いたすより、
気儘気随
(
きままきずい
)
の世渡りこそ、太く短かく面白しと浮世を悟り候てより、流るる歳月を知らず、
自棄酒
(
やけざけ
)
の味も忘れかねつつ
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
期
(
ご
)
に臨んでも、
自棄酒
(
やけざけ
)
が手伝うせいもあるでしょうが、捨鉢な
洒落
(
しゃれ
)
を言っております。次の駄菓子屋は留守。——
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それだからいけないよ。飲むさ。頃合に飲んでごらん。迎え酒というやつだ。だが、
自棄
(
やけ
)
はいけない、江戸へ行って、浜町の別宅に納まってもらっても、
自棄酒
(
やけざけ
)
は
御法度
(
ごはっと
)
ということにしてもらいたいね」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「此通りだ、一人で
自棄酒
(
やけざけ
)
か何んか飮んでゐるところを、そつと廊下に忍び込んで、障子越しに一と思ひに突つ込んだのだ。死骸を見るとわかるが、傷は
左肩胛骨
(
ひだりかひがらぼね
)
の下で、胸へ突き拔ける程の手際だ」
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
棄
常用漢字
中学
部首:⽊
13画
酒
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
“自棄”で始まる語句
自棄
自棄気味
自棄糞
自棄半分
自棄腹