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自失
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じしつ
彼は
暫く
自失したやうにして
居て
麁朶の
火が
周圍の
闇に
壓しつけられようとして
僅に
其の
勢ひを
保つた
時彼はすつと
立ち
上つた。
一方、広場の一同は、意外のできごとにぼうぜん
自失した。
惘然として
自失して
居た
卯平は
藁の
火を
浴びた。
彼は
慌てゝ
戸口へ
遁げ
出した
時火は
既に
赤い
天井を
造つて
居た。
煙は四
方から
檐を
傳ひてむく/\と
奔つて
居た。