トップ
>
臆病風
>
おくびょうかぜ
ふりがな文庫
“
臆病風
(
おくびょうかぜ
)” の例文
なお身体の発育上、何歳より何歳ごろまでが智力のことさら伸張する時代であろう。そのころは
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
の最も強く吹く
期節
(
きせつ
)
となろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
呂宋兵衛の辞退をきくと、半助は、だれも
刑場
(
けいじょう
)
へでると、一
種
(
しゅ
)
の
鬼気
(
きき
)
におそわれる、その
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に
見舞
(
みま
)
われたなと、
苦笑
(
くしょう
)
するさまで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
バッハはもちろん敵に
背後
(
うしろ
)
を見せなかったが、挑戦者なるマルシャンの方が、いざという
間際
(
まぎわ
)
になって
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に誘われて姿を隠してしまった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
ともにして、目的に邁進すると。ははあお前は、南シナ海の
蒼
(
あお
)
い海の色をみて、きゅうに
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に見まわれたんだな
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白は余りの恐ろしさに、思わず
吠
(
ほ
)
えるのを忘れました。いや、忘れたばかりではありません。一刻もじっとしてはいられぬほど、
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
が立ち出したのです。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「
何
(
ど
)
の位でとめられるですかね」またそろ/\
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
が吹いて来た余は、右手にかけて居る運転手に問うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかし、勇敢なフロスト少将が第一番に戦死したものだから、さすがのライオン戦車隊も、一時、
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
にかかって、とうとう攻撃の
望
(
のぞみ
)
がなくなってしまった。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
私は
俄
(
にわか
)
に
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に誘われて、成る可く
跫音
(
あしおと
)
を立てないように恐る恐るその人影に附いて行った。人影は相変らず三味線を弾きながら、振り向きもせずにとぼとぼと歩いている。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
俺
(
おれ
)
は何も恐がるわけじゃねえし、
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に誘われたわけでもねえが、こうなっちゃもう仕方がねえ、うっかりするとこちらまで穴にはまるだけだ。いきりたつなよ。俺たちといっしょにこい。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「や、それもそうだ。命あっての物種だ」と駒越左内も
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「張郃張郃。初めの勢いもなく早や
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
におそわれたか。帰り途を案じているのか」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ははあ、
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に吹かれたね」
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
にさそわれてきたのだろう。江戸表にいるうちは、貴様も吾々と
合体
(
がったい
)
して、どこまでも、法月弦之丞を
討
(
う
)
つと誓い、また、万吉も生かしてはおけぬと
罵
(
ののし
)
っていたではないか」
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
行くと、返書もしてあるのに、その日になって、おれが姿を見せなかったら、
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
にふかれたぞと、満座で笑いどよめくだろう。
亡父
(
ちち
)
良持
(
よしもち
)
の恥だ。おれは坂東平氏の総領だ。行かいでか
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とどなりかえしたが、ガサガサ……と
腰
(
こし
)
の下の馬糧のワラがくずれるとともによろついて、もう蛾次郎の
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
、あたまの上へいつ落ちてくるかわからない
敵
(
てき
)
のかわしかたをかんがえていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ここまで来て、俄な
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
とは何事か」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
臆
常用漢字
中学
部首:⾁
17画
病
常用漢字
小3
部首:⽧
10画
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“臆病”で始まる語句
臆病
臆病者
臆病心
臆病口
臆病神
臆病窓
臆病蟲
臆病気
臆病犬
臆病癖