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置捨
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おきすて
一昨夜
亥刻前淺草阿部川町
了源寺切手を持參致し
所化僧一人檀家三人
差添棺桶送り越候處掛
合中右棺桶を
置捨に致し候間相改ため候に女の
死骸にて
變死に
紛れ御座なく候依て御
檢使願ひ
奉つり候
以上
張上られコリヤ平左衞門
是まで主税之助が爲せし
惡事は皆汝が
勸めし處ならん
併し汝程の
惡才有者が何故又島が
死骸の始末は
斯淺果なる工夫をなして
置捨に致したるやと申されければ平左衞門此ことを
其處へ
置捨にして
逃失し由又其時檀家と
僞り
參りたる者も三人是有る趣き兩寺より訴へ出しなり其
節のことは其方も其一人ならん此事有體に
白状せよ萬一
隱し立なさば
嚴しく申付方有ぞと
大音に
言れしかば多兵衞は大岡殿の
威權に
呑れわな/\
爲ながら心中に
想ひけるは此事斯まで
悟られし上はとても
言紛すこと叶は