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しくじり
ふりがな文庫
“
縮尻
(
しくじり
)” の例文
「相手はあせり出したよ、あせると一つずつ
縮尻
(
しくじり
)
を重ねて証拠を撒き散らして行くから、見て居るがよい、もう尻尾を掴むばかりだ」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょっと小言は云ったものの大して叱りもしなかったが、今から思えば
縮尻
(
しくじり
)
だった……と、
翌
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
は帯を貰う。その翌る日は
簪
(
かんざし
)
を貰う。……
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
親爺も頑固なら息子も強情だと、信長の機嫌が甚だよくない。政秀之を見て今日までの輔育が失敗して居るのに、更にまた息子の
縮尻
(
しくじり
)
がある。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
わたしはそれから日がな一日
櫃台
(
デスク
)
の内側でこの仕事だけを勤めていたので、
縮尻
(
しくじり
)
を仕出かすことのないだけ、それだけで単調で詰らなかった。
孔乙己
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
町からたまたま来た刑事までもが……これは草川巡査と鶴木検事の一代の大
縮尻
(
しくじり
)
かも知れない……などと言葉を濁して行ったりしたので、村の連中は
最早
(
もはや
)
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
私が困るとマネージャーが助け船を出してくれたので、宴会は大成功に終りましたが、その席上でアメリカの流行語を知らないために大
縮尻
(
しくじり
)
をしたことでありました。
お蝶夫人
(新字新仮名)
/
三浦環
(著)
……手前いたって、がさつでね、よくこういう
縮尻
(
しくじり
)
をやらかします。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
昨夜
(
ゆんべ
)
の、水上署の大
縮尻
(
しくじり
)
を、見ていたかい。沖でグルグルどうどうめぐりよ。見てるほうで気が揉めたくらいだった。……いやしかし、どうもこいつア、思ったよりも大きな事件になるらしいぜ」
動かぬ鯨群
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
ちげえねえ? そう考えりゃ、ゆうべとおとといの
縮尻
(
しくじり
)
も、こッちにゃ大きな張合いとなる。何しろおれは二、三日息抜きをしたら、また毎晩でも山屋敷へもぐりこんで、こんだアあすこの縁の下を
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「相手はあせり出したよ。あせると一つづつ
縮尻
(
しくじり
)
を重ねて證據を
撒
(
ま
)
き散らして行くから、見てゐるがよい。もう尻尾を掴むばかりだ」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私の一生の
縮尻
(
しくじり
)
で御座いました。女ってえものはヤッパリ魔者なんで……ヘヘヘ……。
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お紋のところからは三日に一度ぐらいずつ誘い出しの手紙が来ますが、あの晩の
縮尻
(
しくじり
)
以来家に
籠
(
こも
)
って考え事ばかりしていたのです。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
併し、さすがの平次も、この時ばかりは恐ろしい
縮尻
(
しくじり
)
をやりました。翌る朝早々と深川の島田町へ行くと、町内は唯ならぬ物のけはひ。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の
縮尻
(
しくじり
)
も小さくはありませんが、幸七をお咲殺しの下手人と思い込んでいた、三輪の万七もあまり大きな顔は出来ません。
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「馬鹿野郎、人の
縮尻
(
しくじり
)
を宜い心持にする奴があるか——秋葉の親分は、手柄をあせり過ぎたんだ。氣の毒なことぢやないか」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
庭の足跡が女物の水下駄の跡ばかりで、外から入つた曲者の足跡のなかつたのは手落だが、それくらゐの
縮尻
(
しくじり
)
は氣の廻る惡人でもよくあることだ
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ——、誠に、面目次第も御座いません。世間並に高が繼母の細工か何かだらうと思つたのが大
縮尻
(
しくじり
)
のもとで——」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
弟の仕事場から、切出しを持って行ったのが大
縮尻
(
しくじり
)
で、何にも知らない弟に罪を
被
(
かぶ
)
せちゃ、見ているわけに参りません。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「飛んでもない、あつしは大變な
縮尻
(
しくじり
)
をやつてしまひました。親分の顏へ泥を塗つた上は、呑氣にしちやゐられません」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前は默つて居ろ。金次が下手人でなかつたところでお前の
縮尻
(
しくじり
)
の申し譯にはならないぜ——ところで、喜三郎親分」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
したが、清水の旦那はすっかり残して尾久に引込んであの
身上
(
しんしょう
)
を
拵
(
こしら
)
え、お夏さんの父親は、商売の
縮尻
(
しくじり
)
から、二三年前首を吊って死んだという話ですよ
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
したが、清水の旦那はすつかり殘して尾久に引込んであの
身上
(
しんしやう
)
を拵へ、お夏さんの父親は、商賣の
縮尻
(
しくじり
)
から、二三年前首を釣つて死んだといふ話ですよ
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次一代の大
縮尻
(
しくじり
)
だ——せめてお時のところへ行つて、
詫
(
わび
)
でも言つて來ることだ。百兩の金が本當にお時のものなら、
年季
(
ねんき
)
奉公しても返す工夫をするよ
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「俺の方も大
縮尻
(
しくじり
)
さ、お小夜とお吉を殺した下手人はわかつたが、動きの取れない證據は無いから、ヌケヌケと眼の前に居ても、縛るわけに行かない」
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
銭形平次は、こうしてまた
縮尻
(
しくじり
)
を一つ重ねました。風太郎と言われた怪盗珊五郎は、その場から行方知れず、赤井左門は翌る日都へ旅路に上りました。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
錢形平次は、斯うして又
縮尻
(
しくじり
)
を一つ重ねました。風太郎と言はれた怪盜珊五郎は、その場から行方知れず、赤井左門は翌る日都への旅路に上りました。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寛永から明暦、万治年間へかけて鳴らした捕物の名人、一名
縮尻
(
しくじり
)
の平次は、水際立った
良
(
い
)
い男でもあったのです。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにしても、
縮尻
(
しくじり
)
平次と言われる人気者のお前が、若い娘をこんなムゴイ目にあわせるのはどうしたわけだ。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「三輪の兄哥、八の野郎がとんだ
縮尻
(
しくじり
)
をやったそうで、面目次第もないが。——お半の方は白状したかえ」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「三輪の親分、八の野郎が飛んだ
縮尻
(
しくじり
)
をやつたさうで、面目次第もないが。——お半の方は白状したかえ」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は近頃すつかり
憂鬱
(
いううつ
)
でした。お紋のところからは三日に一度位づつ誘ひ出しの手紙が來ますが、あの晩の
縮尻
(
しくじり
)
以來家に籠つて考へ事ばかりして居たのです。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お前さんは、一
刻
(
とき
)
も前に藤澤を通り過ぎた筈だが——といふと、八五郎親分、飛んだ
縮尻
(
しくじり
)
をしましたよ。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
幸ひ翌る日捕まつたからいゝやうなものの、さうでもなきや、島吉兄哥は飛んだ
縮尻
(
しくじり
)
をするところさ
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
幸い
翌
(
あく
)
る日捕まったからいいようなものの、そうでもなきゃ、島吉兄哥はとんだ
縮尻
(
しくじり
)
をするところさ
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この岡っ引にしては珍しく人間味のある男、「
縮尻
(
しくじり
)
平次」とまで
綽名
(
あだな
)
される男が、縛った娘の若々しい肉を、自分から進んで打ち据えようとはなんとした事でしょう。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八の野郎が飛んだ
縮尻
(
しくじり
)
をやつたさうで、面目次第もないが、八の尻拭ひのつもりでやつて來たよ」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次が、
幽靈
(
いうれい
)
から手紙を貰つたといふ不思議な事件は、子分のガラツ八こと、八五郎の思ひも寄らぬ
縮尻
(
しくじり
)
から始まりました。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「また何か
縮尻
(
しくじり
)
をやったのか、仕様のない男だ——まアいい、奉行所の方は、
鎌鼬
(
かまいたち
)
にしておこう」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
恐れ入りました。幾松は大した
縮尻
(
しくじり
)
も無いに、難癖をつけられて、六年越奉公をした、俵屋を
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「餘計な事ぢやないよ。親分につまらない
縮尻
(
しくじり
)
をさせたくはないから言つて上げるんだ」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
滅多に人を縛らぬ、一名
縮尻
(
しくじり
)
平次は、こうして「雪の精」を見逃してしまったのです。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、飛んだ
縮尻
(
しくじり
)
さ。大阪まで物笑ひの種を
撒
(
ま
)
きに行つたやうなもので——」
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
逢引の
縮尻
(
しくじり
)
と見ると、憎さも憎しと、一刀を引抜いて忍び返しに引掛っている三之助を刺した——がさすがに武士の子で、長いので刺すのは刀の汚れとでも思った、短いのでやったらしい
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何でもない事さ。最初お前が言ったとおり佐吉を縛れば、お富を殺さずに済んだよ。今度は、平次一代の
縮尻
(
しくじり
)
だ——が、ね八、いくら下手人と睨んでも証拠のない者を縛るわけに行かねえ」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして覺られないやうに、掘つて踏み荒した畑の土を平らにし、それでも不安心で箒を持つて來て掃いた——これは勘三郎の
縮尻
(
しくじり
)
だつた。畑に箒目を入れる者はどこの世界にもあるわけはない
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
逢引の
縮尻
(
しくじり
)
と見ると、憎さも憎しと、一刀を引拔いて忍び返しに引掛つてゐる三之助を刺した——が、さすがに武士の子で、長いので刺すのは刀の汚れとでも思つて、短かいのでやつたらしい
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錢形の平次は、凡そ
古文眞實
(
くそまじめ
)
な顏をして、若い二人の女性に相對しました。捕物の名人と言はれてゐる癖に、滅多に人を縛らないから、一名
縮尻
(
しくじり
)
平次ともいふ、讀者諸君にはお
馴染
(
なじみ
)
の人物です。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
銭形の平次は、およそ
古文真宝
(
くそまじめ
)
な顔をして、若い二人の女性に相対しました。捕物の名人と言われている癖に、滅多に人を縛らないから、一名
縮尻
(
しくじり
)
平次ともいう、読者諸君にはお馴染の人物です。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
だが、錢形平次もこれほど、重大な
縮尻
(
しくじり
)
をしたことはなかつたのです。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
縮尻
(
しくじり
)
はお互だよ。——ところで八、今日は何日だつけ?」
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
縮
常用漢字
小6
部首:⽷
17画
尻
常用漢字
中学
部首:⼫
5画
“縮”で始まる語句
縮
縮緬
縮緬皺
縮毛
縮図
縮見
縮紗
縮尺
縮布屋
縮緬細工