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絹帽
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シルクハツト
ふりがな文庫
“
絹帽
(
シルクハツト
)” の例文
氏はいつの間にか婦人雑誌の口絵から抜け出して来たやうな
絹帽
(
シルクハツト
)
にフロツクコートといふ、りうとした
身装
(
みなり
)
で、
履音
(
くつおと
)
軽く
扉
(
ドア
)
のなかから出て来る。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「日本の政治家たちのうちに、袴をはいて
絹帽
(
シルクハツト
)
をかぶり、そして人力車に乗つてゐるのがあつた。あれは、あんまりひどい。見てゐて吹き出したくなつた」
大正風俗考
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
其所
(
そこ
)
は
河
(
かは
)
が流れて、
柳
(
やなぎ
)
があつて、古風な
家
(
いへ
)
であつた。
黒
(
くろ
)
くなつた
床柱
(
とこばしら
)
の
傍
(
わき
)
の
違
(
ちが
)
ひ
棚
(
だな
)
に、
絹帽
(
シルクハツト
)
を
引繰返
(
ひつくりかへ
)
しに、二つ
並
(
なら
)
べて置いて見て、代助は妙だなと
云
(
い
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
味気なきは折ふしの移りかはり、祭ののち、
時花歌
(
はやりうた
)
のすぐ
廃
(
すた
)
れゆく、活動写真の酔漢の
絹帽
(
シルクハツト
)
に鳴くこほろぎ。
第二真珠抄
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
式が済むと、円太郎馬車は送られて
火葬場
(
くわさうぢやう
)
へ往つた。二里余りの道中を
絹帽
(
シルクハツト
)
を
被
(
かむ
)
つた会葬者はぞろぞろと続いた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
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味気なきは折ふしの移りかはり、祭ののち、
時花歌
(
はやりうた
)
のすぐ
廃
(
すた
)
れゆく。活動写真の
酔漢
(
よひどれ
)
の
絹帽
(
シルクハツト
)
に鳴くこほろぎ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
誠吾と代助は申し合せた様に、白い
手巾
(
ハンケチ
)
を
出
(
だ
)
して
額
(
ひたひ
)
を
拭
(
ふ
)
いた。
両人
(
ふたり
)
共
重
(
おも
)
い
絹帽
(
シルクハツト
)
を
被
(
かぶ
)
つてゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
なかには買ひ立ての
絹帽
(
シルクハツト
)
と勲四等の勲章が悲しさうな顔をして転がつてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
転
(
ころ
)
がつてゆく
絹帽
(
シルクハツト
)
を追つかける紳士老いたり野は冬の風
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
絹帽
(
シルクハツト
)
で
鰻
(
うなぎ
)
屋へ行くのは
始
(
はじめ
)
てだな」と代助は逡巡した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
薄あかり
紅
(
あか
)
きダリヤを襟にさし
絹帽
(
シルクハツト
)
の老いかがみゆく
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
絹帽
(
シルクハツト
)
吹き飛ばしたり冬の風
落日
(
いりひ
)
真赤
(
まつか
)
な一本橋に
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
絹
常用漢字
小6
部首:⽷
13画
帽
常用漢字
中学
部首:⼱
12画
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絹帽子