“履音”の読み方と例文
読み方割合
くつおと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
氏はいつの間にか婦人雑誌の口絵から抜け出して来たやうな絹帽シルクハツトにフロツクコートといふ、りうとした身装みなりで、履音くつおと軽くドアのなかから出て来る。
暁がた、男は一人で庭に降り立って、ほんのりとかかったほそい月を仰ぎ仰ぎ、読経などをしながら、履音くつおとをしのばせてそぞろ歩きしていた。細殿ほそどのの前には丁子ちょうじの匂が夜気に強く漂っていた。
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
暫くすると、ぞろぞろ信者の入つて来るらしい履音くつおとがした。その度に後方うしろをふり向いてゐた夫人は