“細殿”の読み方と例文
読み方割合
ほそどの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暑気を避けるより、十四日の盆供ぼんくに伜どもの墓を賑やかに飾りたて、谷の上の細殿ほそどのからゆっくり見おろしてやろうという目的らしかった。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
人声もない廻廊やうす暗いひさしを通って、元の中門廊のほうへ彼が戻りかけてくると、ふと、細殿ほそどのの蔭から、誰かよびとめる者があり
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮中で行なわせられた五壇の御修法みずほうのために帝が御謹慎をしておいでになるころ、源氏は夢のように尚侍へ近づいた。昔の弘徽殿の細殿ほそどのの小室へ中納言の君が導いたのである。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)