精微せいび)” の例文
為山氏の画は巧緻こうち精微せいび、不折君の画は雅樸がぼく雄健ゆうけん。為山氏は熟慮して後に始めて筆を下し不折君はいきなりに筆を下して縦横に画きまはす。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
しかしてみづかべんじてはるゝは、作者さくしや趣意しゆいは、殺人犯さつじんはんおかしたる人物じんぶつは、その犯後はんごいかなる思想しそういだくやらんとこゝろもちひて推測おしはか精微せいびじよううつして己が才力を著はさんとするのみと。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
余は「罪と罰」第一くわん通讀つうどくすること前後ぜんごくわいせしが、その通讀つうどくさいきはめて面白おもしろしとおもひたるは、殺人罪さつじんざい原因げんいんのいかにも綿密めんみつ精微せいび畫出くわくしゆつせられたることなり、もしある兇漢けふかんありてある貞婦ていふころ
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)