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端渓
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たんけい
ふりがな文庫
“
端渓
(
たんけい
)” の例文
幸子はふと、姉の取り出した箱の中から
端渓
(
たんけい
)
の
硯
(
すずり
)
が現れたのを見ると、父がそれを買わされた時の情景を思い浮かべた。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
怪
(
あや
)
し
気
(
げ
)
ながら
端渓
(
たんけい
)
で、よく洗ってあるのもたしなみですが、墨は
親指
(
おやゆび
)
ほどではあるが唐墨の
片
(
かけ
)
らに違いなく、筆も一本一本よく洗って拭いてあります。
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「若い時に
高泉
(
こうせん
)
の字を、少し
稽古
(
けいこ
)
した事がある。それぎりじゃ。それでも人に頼まれればいつでも、書きます。ワハハハハ。時にその
端渓
(
たんけい
)
を一つ御見せ」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お机には、
端渓
(
たんけい
)
の
硯
(
すずり
)
、
龍華紋
(
りゅうげもん
)
の
墨
(
すみ
)
、文房具の四宝、いずれも妙品ならぬはない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この上にある
端渓
(
たんけい
)
の
硯
(
すずり
)
、
蹲螭
(
そんり
)
の
文鎮
(
ぶんちん
)
、
蟇
(
ひき
)
の形をした銅の水差し、
獅子
(
しし
)
と
牡丹
(
ぼたん
)
とを浮かせた
青磁
(
せいじ
)
の
硯屏
(
けんびょう
)
、それから
蘭
(
らん
)
を刻んだ
孟宗
(
もうそう
)
の
根竹
(
ねたけ
)
の筆立て——そういう一切の文房具は、皆彼の創作の苦しみに
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
端渓
(
たんけい
)
の硯に向ふ
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
髪黒う垂れて
面照
(
おもて
)
りにけり
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その次には
鬼瓦
(
おにがわら
)
ぐらいな
大硯
(
おおすずり
)
を担ぎ込んだ。これは
端渓
(
たんけい
)
です、端渓ですと二
遍
(
へん
)
も三遍も端渓がるから、面白半分に端渓た何だいと聞いたら、すぐ講釈を始め出した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この上にある
端渓
(
たんけい
)
の
硯
(
すずり
)
、
蹲螭
(
そんち
)
の文鎮、
蟇
(
ひき
)
の形をした銅の水差し、獅子と
牡丹
(
ぼたん
)
とを浮かせた
青磁
(
せいじ
)
の
硯屏
(
けんびやう
)
、それから蘭を刻んだ
孟宗
(
もうそう
)
の根竹の筆立て——さう云ふ一切の文房具は、皆彼の創作の苦しみに
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いい
色合
(
いろあい
)
じゃのう。
端渓
(
たんけい
)
かい」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
渓
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“端”で始まる語句
端
端折
端書
端緒
端唄
端然
端近
端々
端居
端倪