空怖そらおそ)” の例文
全く、その通りで、たとい取崩しに成功してみたところで、やがてその身に報いきたとがを思えば、空怖そらおそろしいものがある。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あるのこと、うみひびきがつねよりまして、空怖そらおそろしくりとどろきましたので、人々ひとびとは、なにごとかこるのではなかろうかと不安ふあんにおののき、けるのをちました。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天下の何人たりと知るよしもない地異人乱ちいじんらんを、未然に知っているということのいかに空怖そらおそろしきものであるかを、さすがにここにいる面々とて、その眉目びもくなり五体なり、また
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小蝶鮫の魚汁ウハーに鱈か白子をそえてガツガツやらかし、口直しに魚饅頭か、鯰の肉の入ったパイを食うのだから、その健啖ぶりは他人ひとごとながら、まったく以って空怖そらおそろしくなる——こういった連中は
睨み合っているのさえ空怖そらおそろしい悪戯いたずらであるのに、ごうの尽きない机竜之助という盲目めくらが、あれが難物じゃ。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
は、まだうえまれてから、幾日いくにちもたたないので、ものをてもまぶしくてしかたがないほどでありましたから、こう、かぜにおしゃべりをされると、ただ空怖そらおそろしいような
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)