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秋波
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しゅうは
ふりがな文庫
“
秋波
(
しゅうは
)” の例文
最初はそれも控え目であったが、だん/\露骨になり、しまいには夫である自分の見ている前で、伸び上って
秋波
(
しゅうは
)
を送ったりした。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と思うとその元禄女の上には、
北村四海
(
きたむらしかい
)
君の彫刻の女が御隣に控えたベエトオフェンへ
滴
(
したた
)
るごとき
秋波
(
しゅうは
)
を送っている。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
好むような男じゃなかった。此奴のラシャメンが我輩に
秋波
(
しゅうは
)
を送る。しかし我輩よりも年が多い。無論年が少いからって何うの
斯
(
こ
)
うのと思う我輩じゃない
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
花鳥は廊下で香以に逢うごとに
秋波
(
しゅうは
)
を送った。ある
夕
(
ゆうべ
)
小稲が
名代床
(
みょうだいどこ
)
へ往って、香以が
独
(
ひとり
)
無聊
(
ぶりょう
)
に苦んでいると、花鳥の使に
禿
(
かぶろ
)
が来た。香以はうっかり花鳥の術中に陥った。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
柏手
(
かしわで
)
を打って鈴を鳴らして
御賽銭
(
おさいせん
)
をなげ込んだ後姿が、見ている
間
(
ま
)
にこっちへ
逆戻
(
ぎゃくもどり
)
をする。
黒縮緬
(
くろちりめん
)
へ
三
(
み
)
つ
柏
(
がしわ
)
の紋をつけた意気な芸者がすれ違うときに、高柳君の方に
一瞥
(
いちべつ
)
の
秋波
(
しゅうは
)
を送った。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
このためここの白い看護婦たちは、患者の脈を
験
(
しら
)
べる巧妙な手つきと同様に、微笑と
秋波
(
しゅうは
)
を名優のように整頓しなければならなかった。しかし、彼女たちといえども一対の大きな乳房をもっていた。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
前には銀色の大きなお盆の上に、何やら洋酒を二、三本並べて薄いガラスのコップで飲んでいたが、私が起きたのを見ると酔いしれた眼で
秋波
(
しゅうは
)
を送りながら
空
(
から
)
のグラスをさしつけた。私は払い
除
(
の
)
けた。
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と云いながら、しまいには伸び上るような風をして御簾の方へ
秋波
(
しゅうは
)
を送った。それから誰かゞ「
東屋
(
あづまや
)
」の文句を謡ったり「
我家
(
わいへん
)
」の文句を謡ったりした。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
宮子はミシェルの高雅な
秋波
(
しゅうは
)
を回想しながら甲谷にいった。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
“秋波”の意味
《名詞》
秋波(しゅうは)
秋の澄んだ水の流れ。
美人の目元。もしくは媚を含んだ視線。
(出典:Wiktionary)
秋
常用漢字
小2
部首:⽲
9画
波
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“秋”で始まる語句
秋
秋風
秋雨
秋海棠
秋日和
秋刀魚
秋草
秋霜
秋毫
秋山