祝詞のつと)” の例文
巫子かんなぎ祝詞のつとをはり、湯の沸上わきあがるにおよびて、吉祥よきさがには釜の鳴るこゑ牛のゆるが如し。あしきは釜に音なし。是を吉備津の御釜祓みかまばらひといふ。
神官しんくわんちひさな筑波蜜柑つくばみかんだの駄菓子だぐわしだのするめだのをすこしばかりづつそなへたしよくまへすわつて祝詞のつとげた。れはおほきなあつかみいたので、それをさらかみつゝんだのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
包紙つゝみがみ幾度いくたびふところれしたとえていたれてよごれてる。祝詞のつときはめて短文たんぶんであつた。神官しんくわんはそれをきはめて悠長いうちやうこゑげてんだがそれでもいくらも時間じかんらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)