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破目
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われめ
ふりがな文庫
“
破目
(
われめ
)” の例文
扉の方へうしろ向けに、
大
(
おおき
)
な
賽銭箱
(
さいせんばこ
)
のこなた、
薬研
(
やげん
)
のような
破目
(
われめ
)
の入った
丸柱
(
まるばしら
)
を
視
(
なが
)
めた時、一枚
懐紙
(
かいし
)
の
切端
(
きれはし
)
に、すらすらとした
女文字
(
おんなもじ
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこかに
破目
(
われめ
)
の入った鐘の
音
(
ね
)
として、変に響くでしょうけれども、よく兄さんを心得た私には、かえって習慣的な言説よりはありがたかったのです。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
樋
(
ひ
)
の
破目
(
われめ
)
から漏れおちる
垂滴
(
すいてき
)
の
水沫
(
しぶき
)
に、光線が美しい虹を
棚引
(
たなびか
)
せて、
凧
(
たこ
)
の
唸声
(
うなりごえ
)
などが空に聞え、乾燥した浜屋の前の往来には、よかよか
飴
(
あめ
)
の太鼓が子供を呼んでいた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
私は
遂
(
つい
)
にあるとき、そっと
爪立
(
つまだ
)
ちをして、
襖
(
ふすま
)
の引き手の
破目
(
われめ
)
から中を
覗
(
のぞ
)
いて見た……。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
その
破目
(
われめ
)
を舐めたとあるから、定めて舐めて
愈
(
なお
)
したのだろ、これらでこの竜王寺の
譚
(
はなし
)
は、全く後世三井寺の鐘の盛名を羨んで捏造された物と判りもすれば、手箱から鐘が出て水に沈むとか
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
謹三は、ハッと
後退
(
あとずさ
)
りに
退
(
すさ
)
った。——杉垣の
破目
(
われめ
)
へ引込むのに、かさかさと帯の鳴るのが
浅間
(
あさま
)
しかったのである。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
磨出
(
みがきだ
)
した
良
(
い
)
い月夜に、
駒
(
こま
)
の手綱を
切放
(
きりはな
)
されたように
飛出
(
とびだ
)
して行った時は、もうデロレンの高座は、消えたか、と跡もなく、
後幕
(
うしろまく
)
一重
(
ひとえ
)
引いた、あたりの土塀の
破目
(
われめ
)
へ、
白々
(
しろじろ
)
と月が射した。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“破目”で始まる語句
破目板
破目山