“切放”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりはな50.0%
きれはな50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
売薬もこれで迷ったのであろうと思う内、切放きりはなれよくむきを変えて右の坂をすたすたと上りはじめた。見るに檜をうしろくぐり抜けると、わしが体の上あたりへ出て下を向き
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
磨出みがきだしたい月夜に、こまの手綱を切放きりはなされたように飛出とびだして行った時は、もうデロレンの高座は、消えたか、と跡もなく、後幕うしろまく一重ひとえ引いた、あたりの土塀の破目われめへ、白々しろじろと月が射した。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
切放きれはなれの好いお島は、直に彼等とも友達になったが、一二度体を診てもらううちに、親しい口をきあう若い医師が、二人も三人もできた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
売薬ばいやくもこれでまよつたのであらうとおもうち切放きれはなれよくむきへてみぎさかをすた/\とのぼりはじめた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)