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皷
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つゞみ
糺しあらためあしき
御政事當時は何時にても
此皷を
打て
奏聞するに
帝たとへば
御食事の時にても
皷の
音を聞給ひたちまち出させ給ひ
萬民の
訴を
數「いや連れて来たよ、二人次の間に
居るが、せめて
皷ぐらいはなければなるまいと思って、婦人で皷を
能く打つ者があって、幸いだから、
私が其の
婦人を連れてまいった」
廊ちかく
皷と寝ねしあだぶしもをかしかりけり春の夜なれば
摺合茶屋々々の二階には糸竹の調べ
皷太皷の
音絶る事なく
幇間の
對羽織に
色増君の全盛を
顯はし其
繁榮目を驚せし
浮生は夢の如く
白駒の
隙あるを
加茂川に
小舟もちゐる
五月雨われと
皷をあやぶみましぬ
さめ
仁義をもつて
民百姓をしたがへ道に
落たるをひろはず戸さゝぬ御代とせんとなりまことに
舜といへども
聖人の御代には
庭上に
皷を出し
置舜帝みつから
其罪を
河こえて
皷凍らぬ夜をほめぬ千鳥なく夜の加茂の里びと