トップ
>
畏友
>
いゆう
ふりがな文庫
“
畏友
(
いゆう
)” の例文
この二家が枕山を推して
畏友
(
いゆう
)
となしているのは、その前途
洵
(
まこと
)
に測るべからざることを証して
余
(
あまり
)
あるものであろうとの意を述べている。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自殺を弁護せるモンテェニュのごときは予が
畏友
(
いゆう
)
の
一人
(
いちにん
)
なり。ただ予は自殺せざりし
厭世
(
えんせい
)
主義者、——ショオペンハウエルの
輩
(
はい
)
とは交際せず。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、いつも庭から来て庭から去る泰軒は家中の者の眼にすらふれずに、それはあくまでも忠相のこころのなかの
畏友
(
いゆう
)
にとどまっていたのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
畏友
(
いゆう
)
島木赤彦を、湖に臨む山墓に葬ったのは、そうした木々に
掩
(
おお
)
われた山際の空の、あかるく澄んだ日である。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
ともにしその性格学殖は貴女においても
御知悉
(
ごちしつ
)
のはず小生ごときひねくれ者の企図して及びえざるいくたの長所あれば貴女にとりても好箇の
畏友
(
いゆう
)
たるべく候
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
畏友
(
いゆう
)
辰夫は
稀
(
まれ
)
に見る秀才だったが、発狂してとある精神病院へ入院した。辰夫は周期的に発狂する遺伝があって、私が十六の年彼とはじめて知った頃も少し変な時期だった。
母
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
嘗
(
かつ
)
てあるフランスの作家のものが某名家の訳で一世を
風靡
(
ふうび
)
し、いわゆる新興芸術派の一部に浅ましい亜流を輩出したとき、わが
畏友
(
いゆう
)
吉村鉄太郎がひそかに
歎
(
なげ
)
いたことがある
翻訳遅疑の説
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
ところが驚く
勿
(
なか
)
れだ。現に吾輩の
畏友
(
いゆう
)
、九州帝国大学医学部長、
若林鏡太郎
(
わかばやしきょうたろう
)
君の名著『精神科学応用の犯罪とその証跡』と題する草稿の中に、緒論として、コンナ
愚痴
(
ぐち
)
が並べてある。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
先輩にして
畏友
(
いゆう
)
なるニコラス・ルービンシュタインは一八八一年に死んだ。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
愛で心がいっぱいになりながら、彼は超人間的な幸福を夢みる。それはこの光栄に満ちた
畏友
(
いゆう
)
らのもっていたものに違いない、彼らの幸福の一反映ですらなおかくも燃えたっているのを見れば。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
今は
亡
(
な
)
き、
畏友
(
いゆう
)
、笠井一について書きしるす。
狂言の神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いつものこととはいえ、泰軒はいまさらのように
畏友
(
いゆう
)
大岡忠相の
博知周到
(
はくちしゅうとう
)
に驚異と敬服の感をあらたにしておのずから頭のさがるのを禁じ得ないのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
毅堂の赴任を賀した諸家の詩賦について、わたくしは
巌谷迂堂
(
いわやうどう
)
の絶句を摘録して置きたい。迂堂は後の
一六
(
いちろく
)
先生でわたくしの
畏友
(
いゆう
)
小波
(
さざなみ
)
先生の先考である。迂堂が送別の作は下の
如
(
ごとく
)
である。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
正道に
与
(
くみ
)
する意と
畏友
(
いゆう
)
泰軒へのよしみとから、かげながら坤竜丸に味方しているとはいえ、そしてこのお艶は、その坤竜の士諏訪栄三郎の妻だとはわかっていても、家中の者の手まえ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
世の中にはいろんな人がいるが、
衷心
(
ちゅうしん
)
から尊敬に値して、なんでも秘密をうちあけて智恵を借りる
畏友
(
いゆう
)
は、風来坊泰軒居士と、この湯殿のラスプチン愚楽老人以外にはない——こう考えている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
畏
常用漢字
中学
部首:⽥
9画
友
常用漢字
小2
部首:⼜
4画
“畏”で始まる語句
畏
畏怖
畏敬
畏縮
畏懼
畏服
畏多
畏嚇
畏承
畏々