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瓠
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ひさご
ふりがな文庫
“
瓠
(
ひさご
)” の例文
たつた一つ取り残しておいた小さな
瓠
(
ひさご
)
が、引き
拗
(
ねぢ
)
られたままの蔓と一緒に棚にしがみついてゐて、折柄の風にその不相応に大きな尻を振つてゐるのだつた。
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ついこの間
幸田
(
こうだ
)
先生から朝鮮のヒョットコだといって贈られたのが、やはりこの
瓠
(
ひさご
)
製の素朴なものであった。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
海河の神たちに悉く
幣帛
(
へいはく
)
を奉り、わたしの
御魂
(
みたま
)
を
御船
(
みふね
)
の上にお祭り申し上げ、木の灰を
瓠
(
ひさご
)
に入れ、また
箸
(
はし
)
と皿とを澤山に作つて、悉く大海に
散
(
ち
)
らし
浮
(
うか
)
べてお
渡
(
わた
)
りなさるがよい
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
海と
河
(
かわ
)
との神々にことごとくお供えを
奉
(
たてまつ
)
り、それから私たち三人の神の
御魂
(
みたま
)
を船のうえに
祀
(
まつ
)
ったうえ、まきの
灰
(
はい
)
を
瓠
(
ひさご
)
に入れ、また
箸
(
はし
)
と
盆
(
ぼん
)
とをたくさんこしらえてそれらのものを
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
高さ四、五
丈
(
じょう
)
も、周囲二町もあろうと見える
瓠
(
ひさご
)
なりな小島の北岸へ舟をつけた。瓠の頭は東にむいている。そのでっぱなに巨大な松が七、八本、あるいは立ち、あるいは這うている。
河口湖
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
武蔵人と
吉備中国
(
きびのなかつくに
)
の人が、
河伯
(
かわのかみ
)
また
大虬
(
みづち
)
に
瓠
(
ひさご
)
を沈めよと註文せしに沈め得ず、由ってその偽神なるを知り、また斬り殺した二条の話あるを見ると、竜類は瓢を沈め能わぬ故、忌むとしたのだ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
老婦人が去った後、
瓠
(
ひさご
)
の
籬
(
かき
)
でかこって
盤
(
ふた
)
をかぶせて置くと、虫は俄かに変じて犬となった。犬の毛皮には
五色
(
ごしき
)
の
文
(
あや
)
があるので、これを宮中に養うこととし、瓠と盤とにちなんで
盤瓠
(
ばんこ
)
と名づけていた。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
人が
瓠
(
ひさご
)
やうつぼ舟に乗って、
浪
(
なみ
)
に
漂
(
ただよ
)
うて浜に寄ったという東方の昔語りは、しばしば桃太郎や
瓜子姫
(
うりこひめ
)
のごとき、川上から流れ下るという形に変り、深山の洞や
滝壺
(
たきつぼ
)
には
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
天
(
あま
)
つ
神
(
かみ
)
地
(
くに
)
つ
祇
(
かみ
)
、また山の神海河の神たちまでに悉に
幣帛
(
ぬさ
)
奉り、我が御魂を御船の上にませて、
眞木
(
まき
)
の灰を
瓠
(
ひさご
)
に納
九
れ、また箸と
葉盤
(
ひらで
)
一〇
とを
多
(
さは
)
に作りて、皆皆大海に散らし浮けて、
度
(
わた
)
りますべし
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
瓠
漢検1級
部首:⽠
12画
“瓠”を含む語句
瓠壺
盤瓠