玉璽ぎょくじ)” の例文
「彼の手には、伝国でんこく玉璽ぎょくじがある。それでだろう。——しかし、衆口のささやき伝える力のほうが怖しい。実現するかもしれないな」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに他ならぬホートン氏は行衛不明の噠𡃤喇嘛と喇嘛の使用する玉璽ぎょくじとを発見しようそのために来てくれた人であって見れば
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
韓国皇帝陛下が親ら玉璽ぎょくじを鈐せられたのではなく、また韓国の総理大臣が同意したものでもない。
けれど、官職を下賜されるには、玉璽ぎょくじがなければならない。筆墨や料紙はなんとか備えてあるが玉璽は今、お手許にない。——ゆえに
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(二)喇嘛と一緒に、喇嘛の玉璽ぎょくじが、同じく宮中から失われた。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小人しょうじんたまを抱いて罪あり、例の孫策が預けておいた伝国でんこく玉璽ぎょくじがあったため、とうとうこんな大それた人間が出てしまったのである。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
符宝郎とは、帝室の玉璽ぎょくじや宝器を守護する役名である。ひとりの人品の良い老朝臣が、怖るる色もなく二人の前へ近づいた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「孫堅、洛陽に玉璽ぎょくじを盗んで、まだ二年とも経たぬ間に、はやくも天罰にあたって、大将にあるまじき末期まつごを遂げたか。——すわや、この虚をはずすな」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やよ、左右の大臣。納言、参議を始め、文武百官、六弁八史の叙目は、到底、一日には任じきれぬ。したが、かんじんな内印ないいん外印げいん玉璽ぎょくじは、てあるのか」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淮南わいなん袁術えんじゅつは自己の僭称せんしょうせる皇帝の名と共に、持つところの伝国の玉璽ぎょくじをも、兄袁紹えんしょう譲与じょうよして、内にはふたり力をあわせ、外には河北、淮南を一環に合体して
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君は、虚病けびょうもうまいが、怒る真似もうまい。いや裏表の多い人物だ。——君の静養というのは、伝国の玉璽ぎょくじをふところに温めて、やがて鳳凰ほうおうひなでもかえそうというはらだろう」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淮南わいなん袁術えんじゅつも一時は自ら帝位を冒していましたが、自製皇帝の位も持ちきれなくなり、兄袁紹へ例の伝国でんこく玉璽ぎょくじを贈って、兄に皇帝の名を取らせ、自分は実利をせしめんものと
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
漢中の一百姓が、自分の畑から、黄金の玉璽ぎょくじを掘り出し、びっくりして庁へ届けてきた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はやくも、内侍所ないしどころ玉璽ぎょくじを移して、ふたたび、主上を叡山へ渡御とぎょしまいらすことであたまも智恵もいっぱいだった。また、いまとなっては、どう義貞を譴責けんせきしてみたところで始まらない。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大礼台は武担ぶたんの南に築かれ、鸞駕らんがは宮門を出、満地を埋むるごとき軍隊と、星のごとくめぐる文武官の万歳を唱える中に、玄徳は玉璽ぎょくじをうけ、ここに蜀の皇帝たる旨を天下に宣したのであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——これは伝国でんこく玉璽ぎょくじです。まぎれもなく、朝廷の玉璽でございます」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これこそ、ほんとうの伝国の玉璽ぎょくじである。洛陽らくよう大乱のみぎり、漢家から持ち出されて、久しく行方知れずになっていると聞いておるあの宝章にちがいない。曹丕に伝わったものは、そのため、仮に朝廷で作られた後の物に相違なかろう」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伝国の玉璽ぎょくじである。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉璽ぎょくじを——」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)