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玄關番
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げんくわんばん
急度相違のない樣に直に調達致して來ようとつかと
戸外へ出たるは其日も已に
暮合すぎなり
开も此家には妻子もなく
一個住にて
玄關番を
……
玄關番から
私には
幼馴染と
云つてもいゝ
柿の
木の
下の
飛石づたひに、うしろ
向きに、
袖はそのまゝ、
蓑蟲の
蓑の
思がしたのであつた。
旦那が
役所へ
通ふ
靴の
尖は
輝いて
居るけれども、
細君の
他所行の
穿物は、むさくるしいほど
泥塗れであるが、
惟ふに
玄關番の
學僕が、
悲憤慷慨の
士で、
女の
足につけるものを
打棄つて
置くのであらう。