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ひあぶ
ふりがな文庫
“
火焙
(
ひあぶ
)” の例文
何月何日には見せしめのために、
火焙
(
ひあぶ
)
りの刑を処すると、近郷近在に触れを回しました。そして大勢見物人たちの
犇
(
ひし
)
めいている中で……
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
昌平橋
(
しょうへいばし
)
外を引廻しの上、以上五ヶ所へ捨札を建てて
火焙
(
ひあぶ
)
りの極刑に処せられるのですから、泥棒や人殺しなどとは、まるっきり話が違います。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが自分の物かと、獣じみた姿を考えると、早くこんな腐れ損いは、小塚ッ原で
火焙
(
ひあぶ
)
りにして貰ったら、定めし、さっぱりするだろうと思った。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
結い立ての天神髷を振りこわして、白い顔をゆがめて、歯を食いしばって、
火焙
(
ひあぶ
)
りになって
家中
(
うちじゅう
)
を転げ廻って、苦しみもがいている女の姿は……。
半七捕物帳:17 三河万歳
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『何んて事でせう? 旦那様ででもなけれや、誰もそんな事を考へつきはしませんね。私達は
火焙
(
ひあぶ
)
りになるのですか。』
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
▼ もっと見る
すこしばかりの
賄賂
(
まひなひ
)
を
吝
(
を
)
しみし御蔭にて憐れなる初花太夫は
磔刑
(
はりつけ
)
か
火焙
(
ひあぶ
)
りか。音に名高き初花楼も取潰しのほか候まじ
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「火事はひでえ、何んとかほかに。……火事は兇状でも重い方だ。……
火焙
(
ひあぶ
)
りってやつにされるんですからねえ」
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
さながら弥次郎兵衛のように竹の大串にさして、突立てたのを、下に薪を積みはじめたところを見ると、この藁人形に
火焙
(
ひあぶ
)
りの刑を施さんとするものらしい。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ようし待っておれ、今にその罰で閻魔の庁へ行ってから鉄の
刺叉
(
さすまた
)
にさされて、じりじりと鬼に
火焙
(
ひあぶ
)
りにされるからな! 見ておれ、じりじりと火焙りにされるのじゃぞ!」
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
親を殺せば
磔
(
はりつけ
)
か
火焙
(
ひあぶ
)
りでしょう、あなたは自分が密通をしたこと、密通をして産ませた自分の娘が、磔か火焙りになったということ、世間の人たちがそれを知っていることで
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
僕は小穴君の言葉通りに
丁寧
(
ていねい
)
に睾丸へアルコオルを塗つた。その時の睾丸の熱くなつたことは
火焙
(
ひあぶ
)
りにでもなるかと思ふ位だつた。僕は「これは大変だ」と言ひながら、畳の上を
転
(
ころ
)
げまはつた。
僕の友だち二三人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
以上五ヶ所へ捨札を建てゝ
火焙
(
ひあぶ
)
りの極刑に處せられるのですから、泥棒や人殺しなどとは、まるつ切り話が違ひます。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
火焙
(
ひあぶ
)
りの刑に処せられた後、眼も鼻も口もない真っ黒けな焼死体になってから歩き出して、倒れたら粉々の灰になったということが出ていたような気がします。
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
……エジプトの王様は代々、自分の妻を一晩
毎
(
ごと
)
に取換えて、飽きた女を
火焙
(
ひあぶ
)
りにして太陽神に捧げたり、又は生きたままナイル河の水神様の鰐に喰わせたりするのを無上の栄華として楽しんでいた。
悪魔祈祷書
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あの野郎を縛つて下さい。駕籠の中の花嫁を刺し殺すやうな野郎は、
磔刑
(
はりつけ
)
か
火焙
(
ひあぶ
)
りにでもしなきや腹が癒えません」
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その図は、西洋の
火焙
(
ひあぶ
)
りか何かの光景らしかった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あの野郎を縛って下さい。駕籠の中の花嫁を刺し殺すような野郎は、
磔刑
(
はりつけ
)
か
火焙
(
ひあぶ
)
りにでもしなきゃ腹が癒えません」
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
元の夫一刀斎勘兵衛を殺し、続いて、主人の雲龍斎又六を殺したとすれば、
磔刑
(
はりつけ
)
か
火焙
(
ひあぶ
)
りは
免
(
まぬか
)
れぬところでしょう。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「明日は札の辻でエロニモ師やガルベスフランセスコ師や、ヨハネ原主水様や、シモン遠藤様と一緒に
磔柱
(
はりつけばしら
)
にかけられて、
火焙
(
ひあぶ
)
りにされるそうですよ」
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
元の夫一刀齋勘兵衞を殺し、續いて、主人の雲龍齋又六を殺したとすれば、
磔刑
(
はりつけ
)
か
火焙
(
ひあぶ
)
りは
免
(
まぬが
)
れぬところでせう。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
放火は大抵
火焙
(
ひあぶ
)
りか
磔刑
(
はりつけ
)
、軽くて獄門、遠島、自火でも時代によれば、たちの悪いのは入牢、
闕所
(
けっしょ
)
、極く手軽なので手錠の上町内預けぐらいにはされたのです。
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分さん、
敵
(
かたき
)
を討って下さい、娘をこんな目にあわせた人間を、八つ裂きにも
火焙
(
ひあぶ
)
りにもして下さい」
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
サア、縛つてくれ、
磔刑
(
はりつけ
)
にでも
火焙
(
ひあぶ
)
りにでもしてくれ、——その代り、萬一俺の母親が
餓死
(
うゑじに
)
するやうな事があつたら、俺は死んだつてお前達を
安穩
(
あんのん
)
には置かないぞ
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分さん、敵を討つて下さい。娘をこんな目に合せた人間を、八つ
裂
(
ざき
)
にも
火焙
(
ひあぶ
)
りにもして下さい」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「兎に角、昨夜、仲吉を見たといふのは誰か、それを聽かして貰はうぢやないか。御主人、
放火
(
つけび
)
は引廻しの上
火焙
(
ひあぶ
)
りだ。お前さんも、
甥
(
をひ
)
一人を丸燒きにしたいわけでもあるまい」
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分、是非それを見付けて、
磔刑
(
はりつけ
)
なり
火焙
(
ひあぶ
)
りなり、思い知らせてやって下さい」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分、是非それを見付けて、
磔刑
(
はりつけ
)
なり
火焙
(
ひあぶ
)
りなり、思ひ知らせてやつて下さい」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
、
火焙
(
ひあぶ
)
りや、
磔刑
(
はりつけ
)
にしては、お上のなさることながらあんまりでございます
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸中の憎しみのかゝつて居る仲吉は、間違ひもなく引廻しの上
火焙
(
ひあぶ
)
りだ。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なんという馬鹿なことをするんだ。御府内の火付けは、
火焙
(
ひあぶ
)
りだぞ」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何んといふ馬鹿なことをするんだ、
御府内
(
ごふない
)
の火付けは、
火焙
(
ひあぶ
)
りだぞ」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今頃切支丹の詮議は可哀想でございます。三十年も四十年も前に轉んで、觀音樣もマリヤ樣も解らなくなつてゐる人達を、
火焙
(
ひあぶ
)
りや
磔刑
(
はりつけ
)
にしては、お上のなさることながらあんまりで御座います」
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
細工が過ぎて親分に見現わされた、——口惜しいが仕方がない。サア、縛ってくれ、
磔刑
(
はりつけ
)
にでも
火焙
(
ひあぶ
)
りにでもしてくれ、——その代り、万一俺の母親が
餓死
(
うえじに
)
するようなことがあったら、俺は死んだってお前達を
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
焙
漢検1級
部首:⽕
12画
“火”で始まる語句
火
火鉢
火傷
火照
火箸
火影
火焔
火桶
火光
火酒