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混濁
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こんだく
ふりがな文庫
“
混濁
(
こんだく
)” の例文
またこんな
混濁
(
こんだく
)
の底から実は必死な次代の良心が
萠芽
(
ほうが
)
しつつあることも、史に
徴
(
ちょう
)
せば期待されないことでもない。
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無理に無理を押し通して
立働
(
たちはた
)
らいていたばかりでなく、昨年の正月に血を
喀
(
は
)
いてたおれた時にも、死ぬが死ぬまで意識の
混濁
(
こんだく
)
を見せなかったものである。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
若い時の
白内障
(
しろそこひ
)
が、身體の異常な
衝動
(
シヨツク
)
で、
混濁
(
こんだく
)
した眼の水晶體が
剥脱
(
はくだつ
)
し、覺束なくも見えるやうになるといふ例は、
淨瑠璃
(
じやうるり
)
の
壺坂靈驗記
(
つぼさかれいげんき
)
の
澤市
(
さはいち
)
の例でも證明されることです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此の風では、
街頭
(
まち
)
の
砂
(
すな
)
ツ
埃
(
ほこり
)
は
大變
(
たいへん
)
なものだらうな。いや、
東京
(
とうきやう
)
の空氣は
混濁
(
こんだく
)
してゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
澄まし込むべき
四方
(
あたり
)
の
混濁
(
こんだく
)
というものの全然ない世界ですから、もし弁信の耳が、この間から何物をか聞き得たとすれば、それは彼の耳の中からおのずから起ってくる雑音を、彼自身が
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
これが、
混濁
(
こんだく
)
した頼母のあたまへ、最初に来た質問の一つだ。同時にかれは、反対側の雨戸へ、張りつくように身を引いて、じイッ、聞き耳を立てながら、長い廊下の左右へ眼を配った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
湖面に美しい鳥肌を
立
(
たて
)
ている有様、それらの寂しく、すがすがしい風物が、
混濁
(
こんだく
)
し切った
脳髄
(
のうずい
)
を洗い清め、一時は、あの様に私を苦しめた神経衰弱も、すっかり忘れてしまう程でありました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と。
擧世
(
きよせい
)
(六一)
混濁
(
こんだく
)
して
(六二)
清士
(
せいし
)
乃
(
すなは
)
ち
見
(
あら
)
はる。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
頭の中はあの土蔵の闇を詰めて来たように、
混濁
(
こんだく
)
している。——消そうとすればするほど、薄命な女の死に顔や、因果な子の乳の香が、そこらに、ちらつく。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとたびこの煩悩の
虜
(
とりこ
)
となり、この悪毒に触れまする時は、賢者も愚者となり、英明の人も
混濁
(
こんだく
)
のやからとなり、英雄も弱者となり——
数千劫
(
すせんごう
)
の功徳を積んだ聖僧でさえも、一朝の怒りのために
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
伝写本から活字の近刊書にいたるまで、同じ史料の
並列
(
へいれつ
)
だ、この書にあってあの書にないというような掘り出しの記事は絶対にない。あれば俗説の
尾鰭
(
おひれ
)
か編者の史眼の
混濁
(
こんだく
)
である。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“混濁”の意味
《名詞》
混 濁(こんだく)
色々なものが混じり濁ること。
意識などが混乱しはっきりしないこと。
(出典:Wiktionary)
混
常用漢字
小5
部首:⽔
11画
濁
常用漢字
中学
部首:⽔
16画
“混”で始まる語句
混
混沌
混淆
混血児
混雑
混凝土
混合
混雜
混入
混乱