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流元
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ながしもと
ふりがな文庫
“
流元
(
ながしもと
)” の例文
三十間堀へ出ようとする紀の国橋の畔、なるほど、寝呆け稲荷の裏に当って、見る影もない三軒長屋、端の
流元
(
ながしもと
)
から
損
(
こわ
)
れ行燈の灯がちらちらと——。
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それまでは
隣家
(
となり
)
の内が、内職をして起きている、と一つにゃ
流元
(
ながしもと
)
に水のない男世帯、面倒さも面倒なりで、そのままにして置きました。さあ、これが大変。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
流元
(
ながしもと
)
で働く母がてつくひ(魚の名)のあらを
側
(
そば
)
にどけたのを、黒にやるんだなと思つて居ると又考へ直したらしく、それを一緒に鍋に入れて煮てしまふのを見た事もあつた。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
流元
(
ながしもと
)
で氷を砕いて立上ろうとすると、くらくらとして急にあたりが暗くなって終った。それからどれ位経ったか、赤ン坊の泣声に気がつくと、私は台所の板敷につっ
伏
(
ぷ
)
していた。
愛の為めに
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
自分は真夜中に人の
住居
(
すまい
)
の奥を照らす月影を見て、おのずから寒いと感じた。
素足
(
すあし
)
のまま板の間へ出て台所の
流元
(
ながしもと
)
まで来て見ると、
四辺
(
あたり
)
は
寂
(
しん
)
としている。表を
覗
(
のぞ
)
くと月ばかりである。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「出ました、出ました先生、ダイヤの頸飾が
流元
(
ながしもと
)
から出てきました」
謎の頸飾事件
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
戸棚
(
とだな
)
や
流元
(
ながしもと
)
が
綺麗
(
きれい
)
に取片着いていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お
飯粒
(
まんまつぶ
)
を
撒
(
ま
)
いてやった、雀ッ子にだって
残懐
(
なごり
)
は
惜
(
おし
)
いや、蔦ちゃんなんか、
馴染
(
なじみ
)
になって、
酸漿
(
ほおずき
)
を鳴らすと鳴く、
流元
(
ながしもと
)
の
蛙
(
けえろ
)
はどうしたろうッて
鬱
(
ふさ
)
ぐじゃねえか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お末は黙つたまゝで兄の膳を
流元
(
ながしもと
)
にもつて行つて洗ひ出した。明日にしろと云つても、聴かないで黙つたまゝ洗つてしまつた。帰りがけに仏壇に行つて、灯心を代へて、位牌に一寸御辞儀をした。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
水は悪いし、
流元
(
ながしもと
)
なんざ湿地で、いつでもじくじくして、心持が悪いっちゃあない。雪どけの
時分
(
ころ
)
になると、庭が一杯水になるわ。それから春から夏へかけては
李
(
すもも
)
の樹が、毛虫で一杯。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
流
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
“流”で始まる語句
流行
流
流石
流眄
流暢
流布
流行唄
流浪
流転
流連