沢地たくち)” の例文
が、そのふゆってしまったとき、あるあさ子家鴨こあひる自分じぶん沢地たくちがまなかたおれているのにがついたのでした。
それ以来満洲の豚と怪物とは離せないようになった。この薄暗い、こけのように短い草ばかりの、不毛の沢地たくちのどこかに、あの怪物はきっと点綴てんてつされるに違ないと云う気がなかなか抜けなかった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、おもいました。それでかれつぶって、なおもとおんできますと、そのうちひろひろ沢地たくちうえました。るとたくさんの野鴨のがもんでいます。
可哀かわいそうに! この子家鴨こあひるがどうしておよめさんをもらことなどかんがえていたでしょう。かれはただ、がまなかて、沢地たくちみずむのをゆるされればたくさんだったのです。