殺生石せっしょうせき)” の例文
玄翁げんのう殺生石せっしょうせきまえすわって、熱心ねっしんにおきょうみました。そして殺生石せっしょうせきれいをまつってやりました。殺生石せっしょうせきがかすかにうごいたようでした。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
その頃は村の奥に大きい平原があって、それはかの殺生石せっしょうせきで有名な那須野ヶ原につづいているということであった。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
例の殺生石せっしょうせきの伝説で名高い、源翁げんおう禅師を開基としている安穏寺あんおんじに預けて置くと、お蝶が見初みそめて、いろいろにして近附いて、最初は容易に聴かなかったのを納得させた。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「——どういう風に行くのかね、ここからだと——殺生石せっしょうせきの横から上るのかしら」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
点燈後碧梧桐謡曲一番殺生石せっしょうせきうたひをはる。余が頭やや悪し。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「きまってらあ、殺生石せっしょうせきだってそうだそうだよ。」
鳥をとるやなぎ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
那須は草ふかき村里なれど、歌によむ白河の関にも遠からず、那須野が原には殺生石せっしょうせきの旧蹟もござる。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それが今夜こんやあなたにかぎって、殺生石せっしょうせきのそばにかしながら、なんにもわざわいのかからないのはふしぎです。これはきっとほとけさまのみちふかしんじていらっしゃる功徳くどくちがいありません。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
殺生石せっしょうせきの空や遥かに帰るかり(六月五日)
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
石は殺生石せっしょうせきと恐れられて、誰も近寄ろうとはせぬほどに、そのあたりには人の死屍しかばねや、けものの骨や鳥のつばさや、それがうず高く積み重なって、まるで怖ろしい墓場の有様じゃという。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そののちたびの人が殺生石せっしょうせきのそばをとおっても、もうわざわいはおこらなかったそうです。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
殺生石せっしょうせき
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)