此處このところ)” の例文
新字:此処
領主 その書面しょめんようわ。これへ。……して、夜番よばん呼起よびおこしたはく侍童こわらはとやらは何處どこる?……こりや、其方そち主人しゅじん此處このところへはなにしにわせたぞ?
まうけたり引れて此處このところ着座ちやくざすれば左右には常樂院天忠てんちう山内赤川藤井等の面々威儀ゐぎたゞして座をしめたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝ長門國ながとのくに阿武郡あふのごほりはぎは江戸より路程みちのり二百七十里三十六萬五千ごく毛利家の城下にてことにぎはしき土地なり其傍そのかたはらに淵瀬ふちせといふ處ありむかし此處このところはぎの長者といふありしが幾世いくよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
讀上る時大岡殿お梅にむかはれ其方主人へいとまを願へどもいださず其上そのうへ度々たび/\不義ふぎかけしををつとあるなれば隨はざるにより刄を以ておどすゆゑ願ふと有共あれどもいま此處このところへ粂之進を呼出よびだし此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)