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樹上
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きのぼ
雫の
餘波、
蔓にかゝりて、
玉の
簾の
靡くが
如く、
頓てぞ
大木を
樹上つて、
梢の
閨を
探り
得しが、
鶴が
齊眉く
美女と
雲の
中なる
契を
結びぬ。
陸に
棲む沙魚なんです。
蘆の根から
這い上がって、
其処らへ
樹上りをする……
性が
魚だからね、あまり高くは
不可ません。
猫柳の枝なぞに、ちょんと
留まって
澄ましている。
時に、巴旦杏の樹へ
樹上りをして、足を
踏張って
透見をしていたのは、青い洋服の少年です。