樹上きのぼ)” の例文
しづく餘波あまりつるにかゝりて、たますだれなびくがごとく、やがてぞ大木たいぼく樹上きのぼつて、こずゑねやさぐしが、つる齊眉かしづ美女たをやめくもなかなるちぎりむすびぬ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おかむ沙魚なんです。あしの根からい上がって、其処そこらへ樹上きのぼりをする……しょううおだからね、あまり高くは不可いけません。猫柳ねこやなぎの枝なぞに、ちょんとまってましている。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時に、巴旦杏の樹へ樹上きのぼりをして、足をふんば張って透見すきみをしていたのは、青い洋服の少年です。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)