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木鋏
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きばさみ
ふりがな文庫
“
木鋏
(
きばさみ
)” の例文
生花の日は花や実をつけた
灌木
(
かんぼく
)
の枝で家の中が
繁
(
しげ
)
った。縫台の上の竹筒に挿した枝に
対
(
むか
)
い、それを
断
(
き
)
り落す
木鋏
(
きばさみ
)
の鳴る音が一日していた。
洋灯
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
あらゆる答は
鋤
(
すき
)
のように問の根を
断
(
た
)
ってしまうものではない。むしろ古い問の代りに新らしい問を芽ぐませる
木鋏
(
きばさみ
)
の役にしか立たぬものである。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
むす子は
歯牙
(
しが
)
にかけず、晴々と笑っていて、「いいものを見せましょうか」と、台所から
一挺
(
いっちょう
)
日本の
木鋏
(
きばさみ
)
を持ち出した。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
赤坂の方も定めておかわりもなかるべくと存じ申し候。加藤の伯父さんは相変わらず
木鋏
(
きばさみ
)
が手を放れ申すまじきか。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
上がって来る時に頭をひどく天井にぶっつけた。葡萄酒瓶の
籠
(
かご
)
をかかえて梯子段を上りきった時には、息が切れてしまうような思いをした。それから
木鋏
(
きばさみ
)
をもって庭へ行った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
土掻
(
つちかき
)
や、
木鋏
(
きばさみ
)
や、
鋤鍬
(
すきくわ
)
の仕舞われてある物置にお島はいつまでも、めそめそ泣いていて、日の暮にそのまま錠をおろされて、
地鞴
(
じだんだ
)
ふんで泣立てたことも一度や二度ではなかったようである。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
村の人となって程なく、二尺余の杉苗を買うて私は
母屋
(
おもや
)
の南面に風よけの
杉籬
(
すぎかき
)
を
結
(
ゆ
)
いました。西の端に唯一本
木鋏
(
きばさみ
)
を免れた其杉苗が、今は高さ二丈五尺、
幹
(
みき
)
の
太
(
ふと
)
さは目通り一尺五寸六分になりました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
顏が
苦
(
にが
)
りきツた。
途端
(
とたん
)
にチヤキ/\
木鋏
(
きばさみ
)
の音がする。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
片手には、頑丈な、
錆
(
さび
)
の出た、
木鋏
(
きばさみ
)
を構えている。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
鋏
漢検1級
部首:⾦
15画
“木”で始まる語句
木
木立
木綿
木偶
木枯
木乃伊
木蔭
木履
木精
木樵