-
トップ
>
-
早苗
>
-
さなへ
湯崗子水にうつれる
若蘆をふる里の田の
早苗かと見る
かしかるべし
御覽ぜずやとわりなくすゝめて
柴の
戸めづらしく
伴ひ
出でぬ
人の
心のうやむやは
知らずや
茂る
木立すゞしく
袖に
吹く
風むねに
欲しゝ
植はたす
小田の
早苗青々として
處々に
鳴き
立つ
蛙の
聲さま/″\なる
彼れも
歌かや
可笑しとてホヽ
笑む
主に
我れも
嬉しく
彼方の
萱ぶき
此の
垣根お
庭の
中に
欲しきやうなり
彼の
花は