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にひむろ
毎年、
田の
穫り
入れがすむと、やはり
家を
作りかへ、
或は
屋根を
葺き
替へたりして、おなじく、
新室のうたげを
行ひました。
新室を
踏み
鎮む
子し
手玉鳴らすも
玉の
如照りたる
君を
内へと
白せ 〔巻十一・二三五二〕 柿本人麿歌集
これなどはいかにも、
旅行中の
新室の
宴らしく、
明るくてゆったりとした、よいお
歌であります。
現在かやが、
向うに
生えてゐる、と
教へてゐられるのではありません。
旅行をした
先で、いつも
新しく
小屋がけをして、それに
宿りました。さうしてかならず、その
小屋をほめ
讃へる
歌を
詠んで、
宴會を
開きました。これを、
新室の
宴といひます。