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斧鉞
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ふえつ
ふりがな文庫
“
斧鉞
(
ふえつ
)” の例文
それ故にまた人間の
斧鉞
(
ふえつ
)
の疫から免れて自分の性を保ち天命を
全
(
まっと
)
うしているのだという見方をして、この樹を讃嘆するのだった。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これは従来の教育法に対して最も英断な
斧鉞
(
ふえつ
)
を加えようとするものです。量を減じながら、質においては一層深化させて行くつもりです。
文化学院の設立について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
惜しいことには水がたかく、岩は半没して、その
神工
(
しんこう
)
の
斧鉞
(
ふえつ
)
の跡も十分には見るを得ないが、まさに
蘇川
(
そせん
)
峡の最勝であろう。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
その後一九〇三年版の作品集に収めるに当っても相当はげしい
斧鉞
(
ふえつ
)
を加えて、ようやく現在の形になったものである。
「可愛い女 犬を連れた奥さん 他一編」あとがき
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
無論彼の懐ける独断的意見には、
斧鉞
(
ふえつ
)
を加えねばならぬが、格別害にもならぬ意見は、そのままに棄て置き、自然に彼の心眼の開けるのを待って居る。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
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支那で将軍出征に
斧鉞
(
ふえつ
)
を賜うとあるは三代の時これを以て人を斬ったからで、『詩経』に武王鉞(マサカリ)を執ればその軍に抗する者なかったとある。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
炳文の一敗は
猶
(
なお
)
復すべし、帝炳文の敗を聞いて怒りて用いず、
黄子澄
(
こうしちょう
)
の言によりて、
李景隆
(
りけいりゅう
)
を大将軍とし、
斧鉞
(
ふえつ
)
を
賜
(
たま
)
わって炳文に代らしめたもうに至って、大事ほとんど去りぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
汽車に乗ればやがて
斧鉞
(
ふえつ
)
のあとなき原始林も見られ、また野草の花の微風にそよぐ牧場も見られる。
雪渓
(
せっけい
)
に高山植物を摘み、火口原の
砂漠
(
さばく
)
に
矮草
(
わいそう
)
の標本を収めることも可能である。
日本人の自然観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
多くの沖の小島では、各自昔からの神山を
抱
(
かか
)
えながら、それには慎しんで
斧鉞
(
ふえつ
)
を入れず、家を建てるにも
竈
(
かまど
)
の火を燃すにも、専ら大小の寄木を当てにしていた時代が久しく続いた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
海保漁村の墓誌はその文が頗る長かったのを、
豊碑
(
ほうひ
)
を築き起して世に
傲
(
おご
)
るが如き
状
(
じょう
)
をなすは、主家に対して
憚
(
はばかり
)
があるといって、
文字
(
もんじ
)
を
識
(
し
)
る四、五人の故旧が来て、
胥議
(
あいぎ
)
して
斧鉞
(
ふえつ
)
を加えた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そこにはもはや
斧鉞
(
ふえつ
)
の跡もなく、
彫琢
(
ちょうたく
)
の痕も止めない。かつてこの地上に生れた薄倖なる大天才の死に行く魂の、最後の大燃焼であり、真にこれこそは天衣無縫の芸術であると言っていい。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
しかも千古
斧鉞
(
ふえつ
)
を知らぬこの山々は、敵に迎えても不足はなかったのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
といって、そこにはいささかも、醜い
斧鉞
(
ふえつ
)
の跡などが残っている訳ではありません。そういう意味ではなくて、これを天然の風景と見る時は、余りに整い過ぎ、
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
がなさ過ぎるからなのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
現在の経済関係という禍の大本に
斧鉞
(
ふえつ
)
を下そうとしない点においては両者とも「不徹底な
弥縫策
(
びほうさく
)
」であるといって女史自ら一段高い地歩を占めたと思われるらしい立場から非難されております。
平塚・山川・山田三女史に答う
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
“斧鉞”の意味
《名詞》
斧鉞(ふえつ)
斧(おの)と鉞(まさかり)。
文章の推敲、校正。比喩表現として「~を加える」などと用いる。
征伐。
重大な刑罰。中国で斧と鉞が刑罰の道具として用いられたことに由来する。
(出典:Wiktionary)
斧
漢検準1級
部首:⽄
8画
鉞
漢検1級
部首:⾦
13画
“斧”で始まる語句
斧
斧鑿
斧正
斧劈
斧柄
斧斤
斧四郎
斧九太夫
斧魚
斧卜