“數次（しば／＼）” の例文
新字：数次
他（た）の針葉樹（しんえふじゆ）に見（み）るやうではなく、春（はる）の雨（あめ）が數次（しば／＼）軟（やはら）かに濕（うるほ）せば遂（つひ）にはこそつぱい皮（かは）の何處（どこ）からか白（しろ）つぽい芽（め）を吹（ふ）いて
土 (旧字旧仮名) ／ 長塚節(著)
おつぎは危（あや）ぶむやうにして控（ひか）へ目（め）に聲（こゑ）を立（た）てゝいつた。おつぎは默（だま）つて其（そ）の手（て）を動（うご）かして居（ゐ）る。與吉（よきち）は返辭（へんじ）がなくても懷（なつ）かし相（さう）に姉（ねえ）ようと數次（しば／＼）喚（よ）び掛（か）けた。
土 (旧字旧仮名) ／ 長塚節(著)
おつぎは數次（しば／＼）さうして村（むら）の青年（せいねん）を見（み）た。然（しか）し一語（ご）も交換（かうくわん）する機會（きくわい）を有（も）たなかつた。
土 (旧字旧仮名) ／ 長塚節(著)