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敢然
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かんぜん
ふりがな文庫
“
敢然
(
かんぜん
)” の例文
カンニングの連中にいつも脅迫されながら
敢然
(
かんぜん
)
として応じなかったのは光一であった。もっともたくみなのは手塚であった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
私は、兄の
叱咤
(
しった
)
の言よりも、そのほうに、そっと耳をすましていた。ふっと一言、聴取出来た。私は、
敢然
(
かんぜん
)
と顔を挙げ
一灯
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
フランス軍の将校のためにピアノの演奏を迫られ、
敢然
(
かんぜん
)
峻拒
(
しゅんきょ
)
して二百キロを歩んでウィーンに帰ったことなどもあった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
ふいに、捕物学の講義をはじめたり、前には、嘆息に暮れていたと思うと、こんどは、
敢然
(
かんぜん
)
と、最後までやるという。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敢然
(
かんぜん
)
立つて常情平述主義を唱へ「ただ
言歌
(
ことうた
)
」の旗印を高く掲げた才一方の年上の老友がうらやまれた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
しかし、強い正しい心を持っている少年少女は、どんな境遇にいても、
敢然
(
かんぜん
)
としてその正しさを
枉
(
ま
)
げない、ということを、バァネット女史は両面から書いて見せたに過ぎないのです。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
己は必ずや、
敢然
(
かんぜん
)
として外界の壓迫に抵抗しつゝ、ぐんぐんと目的地へ猛進して行くだろう。
然
(
しか
)
るに己の素質は、不幸にして政治家にも、学者にも、実業家にも、宗教家にも不適当なのである。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのうちに、彼は、ある日、はしなくも、卑劣な一上級生によって、忍びがたい侮辱を加えられ、ついに
敢然
(
かんぜん
)
として立ちあがることになった。この時、彼は、彼の手に小さな
兇器
(
きょうき
)
をさえ握っていた。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
しかし、失敗なんてものは物の数ではないよ。問題は実行すると云うことだ。俺達は
敢然
(
かんぜん
)
と実行する資格だけは持ってるんだからな。あらゆる可能性をためしてみる資格だけは持ってるんだからな。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
遂に敵の地底戦車にとり
囲
(
かこ
)
まれたのだと悲観しましたのに対し、洪青年は、こんなところに地底戦車隊がいるとは思えないと主張してゆずらず、その
揚句
(
あげく
)
、遂に洪青年の意に従って、われわれは
敢然
(
かんぜん
)
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、
敢然
(
かんぜん
)
として立ちむかう人生の闘士の前には、およそその人間を自殺せしめるほどな逆境はこの世にはあり得ない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ドドンと帆村は
敢然
(
かんぜん
)
引き金を引いた。今や
危急存亡
(
ききゅうそんぼう
)
の
秋
(
とき
)
だった……
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
敢然
(
かんぜん
)
たる言葉を私は、何も持っていないのだ。
鴎
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
お仲は
敢然
(
かんぜん
)
として喰つてかゝりました。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いうが早いか、
槍
(
やり
)
を持ちなおして、
敢然
(
かんぜん
)
と
試合場
(
しあいじょう
)
のほうへ帰ってきたが、まだ
礼
(
れい
)
もすまないうちに
血気
(
けっき
)
ばしった
祇園藤次
(
ぎおんとうじ
)
が、
颯然
(
さつぜん
)
とおどりかかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お仲は
敢然
(
かんぜん
)
として喰ってかかりました。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬筏
(
うまいかだ
)
を組んで、
敢然
(
かんぜん
)
たる渡河戦の先陣を切った。もとより河中では矢ぶすまを浴び、対岸へ斬りこんでからも、たくさんな犠牲を出したのはいうまでもない。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
源吉は
敢然
(
かんぜん
)
としました。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
山毛欅
(
ぶな
)
の
洞穴
(
うつろ
)
から
跳
(
と
)
びだしたひとりの
怪人
(
かいじん
)
が、
電火
(
でんか
)
のごときすばやさで、かれの
胸板
(
むないた
)
を
敢然
(
かんぜん
)
とついてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今川家にも織田家にも属せず、この際
敢然
(
かんぜん
)
、孤立を表明するか。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長政は、自分へ迫る死へたいして、
敢然
(
かんぜん
)
、云い払っていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が龍太郎はもう立ちあがって、
敢然
(
かんぜん
)
と
礼
(
れい
)
をしながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“敢然”の意味
《名詞・形容動詞》
思い切って何かをすること。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
敢
常用漢字
中学
部首:⽁
12画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“敢”で始まる語句
敢
敢為
敢行
敢果
敢無
敢爲
敢果取
敢為冒険
敢為活溌
敢為邁往