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擦
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こ
ふりがな文庫
“
擦
(
こ
)” の例文
吾輩の
背中
(
せなか
)
の毛が
靴刷毛
(
くつばけ
)
で逆に
擦
(
こ
)
すられたような心持がする。しばらくは足音もしない。細君を見ると
未
(
ま
)
だ口をあいて太平の空気を夢中に
吐呑
(
とどん
)
している。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
茲こそはと、燐燧を
擦
(
こ
)
すると、未だ其の火が燃えも揚らぬ中に、忽ち右手の暗から黒い一物が飛び出し、余の前を掠めて左の暗へ跳ねて這入った。余の燐燧は消されて了った。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
擦
(
こ
)
するやうなものですね。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
最初に肉が
縮
(
ちぢ
)
む、詰め込んだガーゼで荒々しくその肉を
擦
(
こ
)
すられた気持がする、次にそれがだんだん
緩和
(
かんわ
)
されて来る、やがて自然の状態に戻ろうとする
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は首から上を
捩
(
ね
)
じ曲げて眼を
外面
(
そと
)
に着けながら、幾たびか自分の眼を
擦
(
こ
)
すった。
然
(
しか
)
し何遍
擦
(
こす
)
っても、世界の
恰好
(
かっこう
)
が少し変って来たと云う自覚が取れなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
代助は
首
(
くび
)
から
上
(
うへ
)
を
捩
(
ね
)
ぢ
曲
(
ま
)
げて
眼
(
め
)
を
外面
(
そと
)
に
着
(
つ
)
けながら、
幾
(
いく
)
たびか自分の
眼
(
め
)
を
擦
(
こ
)
すつた。然し何遍
擦
(
こす
)
つても、世界の恰好が少し変つて
来
(
き
)
たと云ふ自覚が取れなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
きりきりと回った
後
(
あと
)
で、眼を開けて見ると世界が変っている。眼を
擦
(
こ
)
すっても変っている。変だと考えるのは
悪
(
わ
)
るく変った時である。小野さんは考えずに進んで行く。友達は秀才だと云う。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
擦
常用漢字
中学
部首:⼿
17画
“擦”を含む語句
擦違
手擦
摩擦
擦剥
擦合
擦過傷
擦傷
擦付
足擦
引擦
衣擦
当擦
頬擦
擦硝子
垢擦
擦過
面擦
擦着
擦創
擦上
...